法人減税の財源で大もめ、負担に猛反発の経済界
「食べてはいけない(財源確保の)メニューがたくさん載っている。火遊びにも程がある」
「日本が発展させてきた省エネ技術などに税をかけるとなると、企業のやる気そのものをなくしてしまう」
11月8日に開かれた民主党の税制改正プロジェクトチームの会合。政府税制調査会で議論されている法人税減税について、身内の同党議員から、政府税調を舌鋒鋭く批判する声が相次いで上がった。
非難の集中砲火を浴びたのが、政府税調を代表し出席した五十嵐文彦・財務副大臣。投げつけられる激しい言葉に五十嵐副大臣は、「減税による減収分は赤字国債を出すのか。財政健全化の国際公約もある」と懸命に反論した。
法人税の実効税率が約40%と国際的に高い日本。政府税調がもくろむのは、法人税率を引き下げる代わり、代替財源として「租税特別措置」と呼ばれる法人の政策減税を廃止縮小することである。政府税調や財務省は“税収中立”の立場から、法人減税による減収を、別の法人負担増で付け替えたいというわけだ。
試算では仮に税率を5%引き下げると、1.4兆円から2.1兆円の税収が減る。それを補うために、「研究開発減税の大幅縮減」(増収見込み額2700億~5100億円)や「減価償却制度の抜本的見直し」(6000億~8000億円)、「ナフサ免税の縮小」(2兆円超)を検討することが提示された。
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