堀内ワクチン担当相に「3月末解任論」浮上の裏側 「岸田派のプリンセス」への“論功人事"が仇に
オミクロン株が感染拡大した要因の1つとされた高齢者への3回目ワクチン接種の大幅な遅れで、岸田文雄首相が強い批判にさらされている。これに伴い、永田町では今年度末での堀内詔子ワクチン担当相の「解任論」が現実味を帯びている。
そもそも、岸田内閣での堀内氏の「本業」は五輪担当相。ただ、昨秋の東京五輪・パラリンピック閉幕に伴い、同ポストは3月末で廃止される。その場合、堀内氏が兼務するワクチン担当相が宙に浮き、岸田首相も堀内氏の処遇への対応を迫られるからだ。
政府与党内では「岸田首相はすでに、堀内氏解任の意向を固めている」(自民幹部)との見方が支配的。ワクチン担当の後任については、コロナ担当を兼務する山際大志郎経済財政担当相か、実質的にワクチン対策を仕切る後藤茂之厚労相の兼務が有力視されている。
岸田首相の責任を問う声も強まる
そうした中、閣僚としての能力が未知数だった堀内氏を、コロナ対策のカギとなるワクチン担当に起用した岸田首相の責任を問う声も強まる。堀内氏の国会答弁は官僚メモの棒読みばかりで、踏み込んだ質問には答弁不能で立ち往生する場面が目立つ。
このため、通常国会では野党側が格好の標的として連日のように追及。後藤厚労相らとの連携で、代わりに答弁してかばい続けてきた岸田首相も「もはや、守り切れない」(自民国対)というのが実態だ。
もともと与党内では「堀内氏の閣僚起用は、総裁選での貢献に報いる典型的な論功人事」(自民長老)とみられていた。このため、政権内部からも「なぜ、閣僚としての指導力が疑問視される堀内氏に、極めて重責なワクチン担当を兼務させたのか」(有力閣僚)と、閣僚人事での「首相の判断ミス」(同)を批判する声が強まるのは当然でもある。
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