首相にすり寄る玉木氏「異例の予算案賛成」で波紋 代表の大博打により国民民主党分裂の可能性も

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岸田首相(左)との親密ぶりを見せる国民民主党の玉木雄一郎代表(右)(左写真:JMPA、右写真:尾形文繁)

オミクロン政局の混迷を尻目に、史上最大規模の2022年度政府予算案が2月22日、戦後2番目の早さで衆院を通過した。ただ、その際に国民民主党が同予算案に賛成したことが政界全体に複雑な波紋を広げている。

主要野党の一部が当初予算に賛成するというのは極めて異例で、「対決より解決」を掲げ、保守中道勢力の結集も唱える玉木雄一郎国民民主代表の「大英断」(側近)ではある。

ただ、先に見据えるのが「自公国連立」や「閣外協力」なのか、それとも自民党と対峙する新たな保守中道勢力構築なのかはなお霧の中だからだ。

自民党は歓迎、公明党は警戒

国民民主所属議員は衆参23人で共産党と肩を並べるが、昨秋の衆院選で議席を伸ばしたものの、政党支持率は1%前後とミニ政党並み。参院選に向け「このままでは埋没するだけ」(国民幹部)との危機感からの、「玉木代表の大博打」(同)ともみえる。

参院選に向けて野党分断を期待する自民党は玉木氏の決断を歓迎するが、連立与党の公明党は、国民民主への警戒心を隠さない。しかも、国民民主内部でも、反自民にこだわる不満分子の離党による、党分裂の可能性もささやかれる状況だ。

もちろん、今回の玉木氏の岸田文雄首相へのすり寄りが、参院選をにらんでの各党のせめぎ合いをより複雑化させることは確実。「共産党外し」で玉木氏と意を通じているとされる連合の出方も含め、現状では「今後の展開やその結末は予測不能」(立憲民主幹部)だ。

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