人気青果店が実践する「型破り」な伝え方の極意 デメリットを伝えることでオススメが引き立つ

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ここまで、「比較する」「たとえる」「信頼を得る」といった方法をお話ししましたが、ひとつの物事でも、さまざまな方面から多角的に伝えることが可能です。ここでもうひとつクイズを出題しましょう。

居酒屋などでおなじみの「煮込み」。煮込みのおいしさを、あなたならどう伝えますか?

たとえば、グルメ評論家ならこんな伝え方をするんじゃないでしょうか。

「この煮込みは、新鮮なモツを丁寧に下処理していて、その仕事がすごいんです。ですから一切臭みがありません。ワインと味噌を合わせてそこに隠し味のしょう油を入れていて、味がとにかく奥深いんです……」

これは煮込みの本質的な魅力を「深掘りしていく伝え方」です。

ほかには、こんな伝え方もあります。

「アツアツのごはんにぶっかけて食べたら超うまい!」

 これは煮込みの魅力を「広げていく伝え方」です。

伝え方がうまい人の話をじっくり聞いてみる

また、煮込みを作っているお店のご主人にスポットをあてて伝えるケースもあります。

「創業以来50年継ぎ足されてきたたれを使って、さらにご主人が改良を加えた煮込みです。ご主人はもともとフレンチのシェフでしたが、先代との出会いで煮込みの世界に魅了され、弟子をとらない先代に何度も何度も頼み込んで弟子入りし……」

これは「ストーリーを使って伝える方法」です。

『バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則』(かんき出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

さらには、映像で伝えるなら、食べながら満面の笑みで「うまーーーーい!!!」という伝え方。

これは「見た目で伝える方法」です。

これらの方法をかけあわせて伝えてくれる煮込みの名店があったら、絶対行きたくなりますね!

どれもコツを手に入れれば再現可能な方法です。伝え方がうまい人の話をじっくり聞いてみてください。多くが、このような「伝わる方法」をうまく活用しているはずです。

これらの方法を、コミュニケーションの課題解決にぜひ役立ててください。

柿内 尚文 編集者

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かきうち たかふみ / Takafumi Kakiuchi

1968年生まれ。東京都出身。慶應義塾大学文学部卒業。読売広告社を経て出版業界に転職。現在、株式会社アスコム取締役。長年、雑誌と書籍の編集に携わり、これまで企画した本の累計発行部数は1000万部以上、10万部を超えるベストセラーは50冊以上に及ぶ。特に実用書のジャンルで数々のヒットを生み出している。現在は本の編集だけでなく、編集という手法を活用した企業のマーケティングや事業構築、商品開発のサポート、セミナーや講演など多岐にわたり活動。著書に『パン屋ではおにぎりを売れ』『バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則』(かんき出版)がある。

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