人気青果店が実践する「型破り」な伝え方の極意 デメリットを伝えることでオススメが引き立つ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ある人気の青果店では普通はあまり伝えないことをお客さんに伝えているそうです(写真:NaokiS  / PIXTA)
編集者の柿内尚文さんは、多くの人々に物事をわかりやすく伝える達人ですが、もともと、人前で話したり、伝えたりするのが苦手だったのだそう。
そんな柿内さんが、編集という仕事を通して身につけた「伝わる構造」と「伝わる技術」をまとめた『バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則』より、すぐに再現できる「伝え方のコツ」を伝授します。

人気の青果店が自然にやっている「伝わる方法」とは?

ある地域で人気の青果店の話です。

このお店では普通はあまり伝えない「あること」をお客さんに伝えているそうです。

さて、「あること」とは何でしょうか?

答えは、「今日おすすめしない野菜や果物」を正直にお客さんに伝えること。

おすすめしないことを正直に言ってしまったら、その野菜や果物は売れ残ってしまいます。ですが、その青果店はそれでもいいそうなんです。青果店のお客さんはほとんどがリピーター。日常的にそのお店を使ってくれる人です。

そういう人が「おいしくない野菜や果物」を買っていってしまったら、お店の評判も落ち、次からは近所のスーパーに買いに行ってしまうかもしれない。だから、できるだけ正直に言っているそうです。

この話を教えてもらったとき、この青果店は「伝え上手」だと思いました。この話の中には「伝わる方法」が凝縮されているからです。

この青果店はただお客さんのことを考えてそう伝えているだけだと思いますが、この中には2つの「伝わる方法」が使われています。

ひとつは「ダメなものを伝えることで、いいものが引き立つ」という方法です。「おすすめしない」ことを伝えることで、逆に「おすすめされたもの」の価値が高まります。これは伝わる方法のひとつ「比較」です。

たとえば、比較は本のタイトルでもよく使われています。『金持ち父さん貧乏父さん』『頭がいい人、悪い人の話し方』など歴代のベストセラー本にも比較が使われています。

次ページ信頼感がある人のことばはすぐに入ってくる
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事