「生理痛が重い」を放置する女子に潜む不妊リスク 産める体をつくる「プレコンセプションケア」

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続いては、がんについてです。

「定期的に婦人科検診(がん検診)を受けているから安心」と考えている人もいるでしょう。ですが、先に紹介したように不妊の原因となる病気はがんだけではありません。がん検診に加えて生理に問題や気になることがあったら、「これくらいのことで……」とか考えず、産婦人科を受診してください。

子どもを産む、産まないの話で盛り上がる。『30までにとうるさくて』から(写真:ABEMA提供)

もちろんがん予防も必要。実はがんの中には予防ができるものもあり、それが「子宮頸がん」です。がん検診は「早期発見のためのもの」ですが、ワクチンは「がんそのものを防ぐもの」ですから、とても大事です。

HPVワクチン接種は大人でもメリット

子宮頸がんは、主にヒトパピローマウイルス(HPV)の感染で起こります。この感染を予防するのが、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)です。ワクチンには2種類のHPVを予防する「2価ワクチン」と4種類のHPVを防ぐ「4価ワクチン」が現在、公費補助の対象となっています。このほか自費になりますが、9種類のHPVを予防する「9価ワクチン」も出ています(2023年には9価も定期接種の対象になりそうです)。

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現在、日本では小学校6年生から高校1年生の女性に対して公費での接種が認められています。性交渉未経験のうちがもっとも有効とされていますが、26歳まではウイルスに対する抗体ができやすく、費用対効果を考えても45歳まではメリットがありますので、接種を検討されてみてはどうでしょうか。

最近、世界各国でも「産みたいときに産める体をつくるために、健康に気をつける」ことを表す「プレコンセプションケア(Preconception care)」の重要性がいわれています。

プレコンセプションケアとは、将来のために女性やカップルが健やかに過ごすこと、それが次の世代の子どもの健康にもつながっていくという考え方です。アメリカで2012年に提唱され、日本では2018年に国立成育医療センターから発信されました。

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