「生理痛が重い」を放置する女子に潜む不妊リスク 産める体をつくる「プレコンセプションケア」

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意外と知られていないのが、性感染症も不妊のリスクを高める1つであるということ。

不妊の原因はさまざまですが、その1つに卵管の癒着が挙げられます。卵管が周りの組織とくっついたり卵管自体が詰まったりして動きが悪くなると、精子や卵子がスムーズに通れなくなります。卵管が癒着する原因には開腹手術や前述した子宮内膜症などがありますが、最も多いのが性感染症(主にクラミジアによる感染)です。

性感染症は予防ができる病気です。そのためには、性交渉の際にはパートナーに必ずコンドームを付けてもらう必要があります。なかなかそれを言い出せない女性も少なくありません。しかし将来のことを考えたら、勇気を持って「付けてほしい!」「私が使いたい!」と言ってほしいです。

「生理の異常」の見極めポイント4つ

今挙げたような子宮の病気は、生理の異常で気付くことが少なくありません。自分の生理を他人と比較するのはむずかしいでしょう。ですから、私はみなさんに「“おかしいかな”と思ったら、『3』というキーワードを思い出してほしい」と伝えています。

・生理が3カ月ない
・1カ月に3回以上生理(不正出血)がある
・1回の生理で3回を超えて痛み止めを飲む(3回まではセーフ)
・生理初日~2日目に夜用ナプキンでも3時間もたない

こうした症状がある場合は何らかの病気が隠れている可能性がありますので、まずは婦人科の受診をおすすめします。

姉の育児を見て、子どもについて考える。『30までにとうるさくて』から(写真:ABEMA提供)

生理痛の治療法としては痛み止めのほかにピル(経口避妊薬)があります。健康保険が適用されていて、月経周期や量をコントロールできます。生理痛はもちろん、生理前のホルモンの影響によって起こる心身の不調であるPMS(月経前症候群)の改善も期待できます。

PMSによって精神的な浮き沈みがあることで、パートナーとの関係性が悪化してしまうこともあります。妊娠出産を考える際、パートナーシップは重要なキーワードです。たかがPMSと放置しておかず、しっかり対策をとることが大切です。

ピルに関しては、「飲むと妊娠しにくくなる」「太る」といったウワサがありますが、正しくありません。現在、ピルの副作用として指摘されているのは、血栓症のリスクが少し上がるということです。そのため血圧が高めな人や喫煙している人は注意が必要ですが、それ以外の人は医師の指導のもとであれば、安心して服用ができると思ってください。

次ページ続いては、婦人科がんについて
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