アメリカとその同盟国は、この外貨準備の57%に相当する部分を中央銀行への制裁などによって使えなくしており、その結果として通貨ルーブルの暴落を止めることができないでいる。ルーブル下落を止めるためには、相手の中央銀行に外貨をプールしておく必要がある。それが、今回の中央銀行への制裁によってできなくなったわけだ。
また、ブルームバーグの報道によると、ロシアはIMFの特別引き出し権(SDR)を240億ドル分保有しているが、これを現金化するのは中国当局の判断次第だそうだ。IMF加盟国というのは、「自由に使って良い」と言われている資金を米ドル、ユーロ、ポンド、円、そして2016年に新加入した中国人民元に交換することができるシステムになっている。すでに、中国を除く4つの通貨では引き出しできないようになっており、残る道は中国人民元での引き出しができるかどうかにかかっている。
長期戦になるほど資金枯渇に苦しむ
ざっと2兆8000億円だが、戦争が長期戦になればなるほど資金の枯渇に苦しむことになる。ロシアは、最終的には中国に頼らざるをえなくなるはずだ。戦争が始まってからの資金調達は、同盟国間であれば問題は無いが、敵国側のルートを使わなければならないときは、極めて難しくなる。
また、ロシアは国際間の決済機関である「SWIFT(スイフト)」から締め出されたうえに、中立を守ってきたスイスにさえも資産を凍結された。戦争の資金調達が一気に困難になったと言っていいだろう。通貨「ルーブル」の下落が止まらないために、金利を20%に引き上げたが、長期的に見れば大きなマイナスになるはずだ。
一方、今注目されているのが暗号資産を使った資金調達だ。外貨準備に代わる存在として注目されており、ウクライナ最大の暗号資産交換所「クーナ」には、連日海外からウクライナへの寄付として暗号資産が寄せられているそうだ。暗号資産分析会社「エリプティック」によると、ウクライナ政府と民間支援団体に8万9000件、約5100万ドル(約59億円)の寄付が集まっている(ウォール・ストリート・ジャーナル、2022年3月4日)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら