鈴木雅之「今の自分が最高」断言する自信の根源 「普遍的なラヴソング」への変わらぬこだわり

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──なるほど。「気持ち」が大切なんですね。

鈴木:人間は、今いる環境が外見にも現れると思う。もし僕が、同世代の人ばかりと集っていたらいい歳の取り方をするのかもしれませんが、下の世代と共演する際はちょっと気を遣われるのかなって(笑)。音楽業界に限らず若い世代とやり取りを積極的にされる方って、皆さんエネルギッシュじゃないですか。

YOASOBIの楽曲は現代のラヴソングだと感じて、カヴァー

(写真:内田裕介)

──2月に発表されたカヴァーベストアルバム『DISCOVER JAPAN DX』では、YOASOBIの「怪物」を収録。異なる世代と積極的にセッションする姿を披露しています。

鈴木:このコロナ禍によって、自宅で過ごす時間が増えたことで、いろんなタイプの音楽に触れることができました。その中で、彼ら(とくにソングライターであるAyaseさん)の作る音楽は、現代の「ラヴソング」だと感じて、選んだのがこの楽曲です。恋愛だけでなく、人間愛、家族愛、友情、すべての愛が「ラヴソング」じゃないかな。

実は、『DISCOVER JAPAN』というプロジェクトは、2017年に発表した『DISCOVER JAPAN Ⅲ ~the voice with manners~』で終了する予定でいたんですけど、コラボレーターである服部隆之さんにこの楽曲を聴いていただき、「オオカミ少年の話があったけど、現代にオオカミ(怪物)が存在した。“コロナ”という。だからこの楽曲をカヴァーするべきだ」と説得して、完成させたのです。

──今回は3枚組というボリュームのある構成。これまで発表してきたカヴァー曲だけでなく、新録曲も収録していますが、どういう基準でセレクトしたものなのでしょう?

鈴木:令和、平成から昭和まで時代ごとにまとめながら、コロナ禍だからこそ皆さんに伝えたいメッセージもこめたコンセプチュアルなアルバムです。本作には、YOASOBIの楽曲のほか、未来は必ず明るいものになるというメッセージのこもった手嶌 葵さんの「明日への手紙」、デビュー当時から僕の盟友的存在であるスターダスト☆レビューの究極の別れを描いた「木蓮の涙」を新たにレコーディングして収録しました。

──また、ラストには1983年にラッツ&スター名義で発表した、大瀧詠一さんの提供曲「Tシャツに口紅」のセルフカヴァーを収録しています。

鈴木:このプロジェクトでは、日本の「隠れた」名曲の数々をストリングスの旋律にのせて伝えたいと思っていて。大瀧さんの音楽の多くには、その旋律があり、かつこれからも歌い続けたい楽曲でもあります。今回は特別に大瀧さんが遺されたコーラスを拝借できたので、アルバムの最後に皆さんへのプレゼントのようなカタチで収録して、改めて楽曲の素晴らしさをディスカバーしていただきたいと思いました。

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