鈴木雅之「今の自分が最高」断言する自信の根源 「普遍的なラヴソング」への変わらぬこだわり

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「古希ソウル」を作るまでは、第一線で活動し続けなくては

(写真:内田裕介)

──今後に関しては、どんなヴィジョンを?

鈴木:実は還暦(60歳)になる前までは、そこがゴールだと思って「還暦ソウル」という楽曲を作ったのですが、完成させた瞬間に、まだまだ先があると確信しました。声の伸びを含め、今の自分が最高の状態であり、またこの年齢だからこそ伝えられるものがあると。

だから70歳を迎えて「古希ソウル」を作るまでは、第一線で活動し続けなくてはいけないなって。それが、今の自分を走らせている機動力になっていますね。人間は老いていくことが怖いのではなく、目標を失うことが怖いと思うのです。

──音楽を含め、これからどんな「カッコよさ」を追求していきたいですか?

鈴木:これはずっと思っていることなのですが、人間として「品のある色気」を失わずにいたいですね。それは、自然とにじみ出てくるものだと思う。僕は、ヴォーカリストとして大切な皆さんに届けたい大好きな音楽がある。その音楽に恋する思いを持ち続けていられるからこそ、「色気」を出すことができるのかなって。

──ちなみに、最近「色気」を感じる方はいますか?

鈴木:僕は目移りするタイプなので、その時々で色気を感じる方が変わりますが(笑)。最近だと、2020年発表のシングル「DADDY ! DADDY ! DO !」で共演した鈴木愛理さんですかね。どんなミュージシャンの方と共演する際もそうなのですが、自分が相手をどうエスコートできるのか? (とくに女性の場合は)ひとりの男性として接しているんですけど、彼女の姿に共演するたびに色気とチャーミングさが増していくように感じました。

その後、昨年行われた彼女の日本武道館公演を拝見したら、すっかり「ソウル・ディーヴァ」としての存在感を漂わせていたのです。自分が成長にひと役買えたのかなと思うと、感慨深かったですね。

──鈴木愛理さんとの色気漂うセッションは、アルバムと同時発売された映像作品『masayuki suzuki taste of martini tour 2020/21 ~ALL TIME ROCK 'N' ROLL~』にも収録されていますね。

鈴木:セッションは自分でも、どんなものができるかいつも楽しみなんです。これは、音楽の神様が与えてくださる「最高のギフト」だと思っているので。

●鈴木雅之(すずき・まさゆき)
1980年、シャネルズのメンバーとしてデビュー。1986年よりソロ活動を開始、ベストアルバム『Martini』は(Ⅰ)(Ⅱ)それぞれミリオンセラーを記録。2017年に、第67回芸術選奨文部科学大臣賞(大衆芸能部門)を受賞。2022年2月23日には、ソロデビュー35周年記念カヴァー・ベスト・アルバム 『DISCOVER JAPAN DX』と、ライヴ映像作品 『masayuki suzuki taste of martini tour 2020/21 ~ALL TIME ROCK 'N' ROLL~』が同時発売。4月2日〜全国ツアー『masayuki suzuki taste of martini tour 2022〜DISCOVER JAPAN DX〜』がスタート。
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