その1:食べ過ぎない
夕食にたくさんの量を食べると眠れなくなる、あるいは睡眠の質が悪くなります。
漢方では「体を横たえると血が肝に帰り、肝でエネルギーを補充してから、また体の中をめぐり、疲労物質を処理する」と考えられています。ところが、食べ過ぎると胃腸に血が集まってしまい、肝に帰ることができません。その結果、消化に時間を取られて疲労物質が処理できないまま、朝を迎えることになります。
これは私自身の体験ですが、以前断食をした際は4〜5時間で目が覚めました。それでも不思議と目覚めはスッキリで、日中も普段より頭が冴えた感じがしました。
疲れているときこそ食は控えめに
この経験で、普段どれだけ食べ過ぎていたのかを思い知りました。それ以来、疲れたときはあえて食事を少なめにしたり、1食抜いたりして、胃腸を休めるようにしています。多くの方は疲れたときにはスタミナをつけようと、ボリュームのあるものを食べがちですが、実はそれは逆効果です。
その2:寝る前の酒やカフェイン入り飲料は×
寝酒は寝付きをよくしますが、睡眠の質は下がります。眠りが浅くなるため、長く寝ても寝足りない感じになりがちです。少量なら大丈夫だろうと思う方もいるかもしれませんが、寝る前のお酒は、量の如何に問わずよくありません。
漢方でいう肝は、体にとって毒であるアルコールを最初に分解してから、体の中の疲労物質を処理します。そのため、食べ過ぎと一緒で、寝ている間に酒の解毒だけで手一杯になるため、疲れが取れないまま朝を迎えることになります。したがって睡眠に悩みを抱えている方は、お酒を飲まないのが理想です。飲むときも就寝の3〜4時間前には飲酒を終えているようにしましょう。
カフェインはコーヒーや緑茶などに含まれていて、これが原因で不眠になる患者さんは意外と多いです。カフェインを代謝する能力は個人差が大きいので、寝る直前に飲んでも大丈夫な人がいる一方で、昼過ぎに飲んでも夜まで効いてしまう人もいます。
一般的には、カフェイン成分が代謝されて半減するまで4〜5時間かかるので、気になる方は14時くらいに飲み終えるとよいでしょう。
その3:スマホは寝る前には見ない
漢方医学が整った何千年も前には存在しなかったスマホですが、現代では睡眠障害の大きな要因とされています。スマホやパソコンのブルーライトは脳を覚醒させて、睡眠の質を悪くしますので、夜はできるだけ見ないのが理想。やむをえない場合はダークモードにするなど、ブルーライト対策をとりましょう。
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