私の「30分方式」のレッスンでは、はじめに絵の題材を身近な「基本図形」に分解して「設計図」を描きます。
椅子の座面は楕円形、脚、背もたれ、背柱など、そのほかの部分はすべて長方形で、基本図形は簡単に見つかります。
椅子を描くうえでいちばん難しいのは、「正しい比率」で脚を描くことです。
「絵の中の長さ」を比較するのがコツ
そこで私は次のように考えてみました。椅子を「目安枠」のなかに入れてしまうのです。そうすれば脚があっちこっちに飛び出すこともありません。
目安枠をつくるのに定規が必要ですが、手元になければ、まっすぐな紙切れの端に等間隔の目盛りを打てば簡単につくれます。自分の小指の幅をひと目盛りとして8つほど目盛りを打ち、数字を書き込めば「即席定規」の完成です。
この即席定規を使って、縦線が横線の2倍くらいの長さになる長方形を描きます。絵を描くための小さな方眼紙をつくるのです。そして、即席定規の目盛りに沿って、縦線と横線に目盛りと数字を書き込みます。
縦線の長さは、小指の幅のおよそ7倍、横線の長さは小指の幅のおよそ4倍にします。これを使えば、互いの長さを比較しながら、それぞれの脚の長さを決めることができます。
絵の中の大きさを決めるコツは、次のとおりです。
・背もたれの高さは「最も長い脚」の長さの3分の1以下にします。
・「左手前の脚」が最も長く、最も低い位置になります。
・「右奥の脚」が最も短く、最も高い位置にします。
このように、各パーツが目安枠のどこに位置すればいいのかを確認しながら描くことで、バランスの整った椅子を描くことができるのです。
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