ブーツを描くときに、絵の中の「相対的な大きさ」を実物の比率に合わせたように、画家は「描こうとするパーツ」を目で測るときには、ほかの部分と比較しながら見ています。
たとえば、頭と胴体を描きたいのなら、胴体が「頭いくつ分」なのかを考えることが大切です。「ペンギン」を例にすると、「体の長さは頭5個分以上」「頭の幅は体のおよそ半分を目安」にすると、ちょうどよいバランスで描くことができます。
このとき、大きさを決める基準として「自分の指」をメジャー代わりにすることができます。
ペンギンの頭が小指1本分の幅だとすると、「くちばしの先端は頭から小指1本分の場所」「手前に見えている足の長さは小指1本分、後ろ側の足はもう少し短く」という具合に、細かい部分まで大きさを比較しながら描くことが可能になります。
指と同様に、鉛筆やペンもその幅を利用してメジャーとして使えます。
私の『誰でも30分で絵が描けるようになる本』のレッスンでは、このように絵のパーツに特定の「大きさ」を指定することがありますが、そうして描くうちに「絵の中のそれぞれのパーツの大きさは互いに相関関係にある」ということを意識して描く視点が身につくようになります。
「コツ」を使いこなすうちに絵が上達
「椅子の脚」や「ブーツ」のように、多くの人が「難しい」と感じる題材も、キスラー流の「コツ」を押さえれば上手に描けることがおわかりいただけたでしょうか。しかも「特別な道具」は必要なく、誰でもできるアイデアばかりです。
あれこれ考えて、「本当に自分に描けるのか?」なんて悩んでいるうちに、創作意欲がしぼんでしまうのは、本当にもったいないことです。
私の「コツ」をどんどん活用して使いこなすうちに、自分が「描きたい」と思うものが次々と描けるようになっているはずです。
「30分方式」を通して、絵を描くことに対する恐怖心から解き放たれて、たくさんの人が「気軽に楽しく」絵を描く方法を学んでほしいというのが、私の何よりの願いなのです。
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