ド素人でも「すごい絵」が簡単に描ける!3大秘訣 「椅子の脚」など「難しい題材+部分」も描ける!

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ブーツを描くときに、絵の中の「相対的な大きさ」を実物の比率に合わせたように、画家は「描こうとするパーツ」を目で測るときには、ほかの部分と比較しながら見ています

たとえば、頭と胴体を描きたいのなら、胴体が「頭いくつ分」なのかを考えることが大切です。「ペンギン」を例にすると、「体の長さは頭5個分以上」「頭の幅は体のおよそ半分を目安」にすると、ちょうどよいバランスで描くことができます。

このとき、大きさを決める基準として「自分の指」をメジャー代わりにすることができます。

ペンギンの頭が小指1本分の幅だとすると、「くちばしの先端は頭から小指1本分の場所」「手前に見えている足の長さは小指1本分、後ろ側の足はもう少し短く」という具合に、細かい部分まで大きさを比較しながら描くことが可能になります

「ペンギン」の頭を小指1本分の幅で描くとき、くちばしの先端を頭から小指1本分の場所にすると上手く描ける(出所:『誰でも30分で絵が描けるようになる本』)

指と同様に、鉛筆やペンもその幅を利用してメジャーとして使えます

私の『誰でも30分で絵が描けるようになる本』のレッスンでは、このように絵のパーツに特定の「大きさ」を指定することがありますが、そうして描くうちに「絵の中のそれぞれのパーツの大きさは互いに相関関係にある」ということを意識して描く視点が身につくようになります

「コツ」を使いこなすうちに絵が上達

「椅子の脚」や「ブーツ」のように、多くの人が「難しい」と感じる題材も、キスラー流の「コツ」を押さえれば上手に描けることがおわかりいただけたでしょうか。しかも「特別な道具」は必要なく、誰でもできるアイデアばかりです。

あれこれ考えて、「本当に自分に描けるのか?」なんて悩んでいるうちに、創作意欲がしぼんでしまうのは、本当にもったいないことです。

私の「コツ」をどんどん活用して使いこなすうちに、自分が「描きたい」と思うものが次々と描けるようになっているはずです。

「30分方式」を通して、絵を描くことに対する恐怖心から解き放たれて、たくさんの人が「気軽に楽しく」絵を描く方法を学んでほしいというのが、私の何よりの願いなのです。

マーク・キスラー 画家、アーティスト、絵画講師

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Mark Kistler

画家、アーティスト。世界で最も人気のある著名な絵画講師のひとり。アメリカの大人気番組『マーク・キスラーのイマジネーション・ステーション』の司会を長年務め、優れたテレビ番組、テレビ業界の功績に与えられる、最も権威ある文化賞のひとつ「エミー賞」を受賞。15歳のときに、ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』に触発され、「子どもたちに絵を教えること」をライフワークとしてスタート。現在も毎年、全米各地の学校を訪れ、数万人の大人や子どもに向けて「3Dの絵を描く」教室や、家族向けワークショップを開催している。著作は、ドイツ、ロシア、中国、韓国、ポーランド、ウクライナなど世界中で翻訳され、累計100万部を超える。

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