優れたテレビ番組、テレビ業界の功績に与えられる、最も権威ある文化賞のひとつ「エミー賞」も受賞し、2011年に出版した初の著書『You Can Draw in 30 Days』(未邦訳)は、世界中で大ベストセラーとなるほど人気を博している。
そのキスラー氏がこの度、前著をさらに進化させた「超時短30分バージョン」として、「キスラー式メソッド」をすべて1冊に凝縮した『誰でも30分で絵が描けるようになる本――たった「4つのステップ」で、驚くほど絵が上手くなる!』を上梓した。
「わかりやすく」「親しみやすく」「ユーモアに満ちた」解説が添えられた本書は、キスラー氏にとって待望の初の日本語の訳書で、日本でも発売後たちまち大増刷するなど、話題を呼んでいる。
「誰でも30分で絵が描けるようになる!」という「キスラー式メソッド」はどんなものか。本書の内容を再編集しながら、「学校で教えてくれない『上手な絵』を描く裏ワザ」について解説する。
「思い込み」が絵を苦手にする!?
「絵を描く」ということについて、みなさんはどんな風にお考えでしょうか?
私が長年、たくさんの大人たち、子どもたちに向けて絵の描き方を教えるなかで、「絵を描くこと」を難しく考えている人がとても多いことに気がつきました。たとえば、「フルーツを盛った皿と何時間もにらめっこする」とか、「美術館で半日近くかけてスケッチする」という風に捉えているのです。
でも実際には、絵が描けるようになるためには、膨大な時間も、特定の場所も必要ではないのです! そのことを多くの人に伝えたくて「あっという間に絵が描ける実践的な方法」として「キスラー流30分方式」を考えました。
私の「30分方式」では、絵を「賢く、すばやく、きれいに」描くための「小ワザ」がたびたび登場します。おそらく学校の美術の時間には教わらなかった方法、あるいは「邪道」とされてきた方法かもしれません。
しかし、これまで「当たり前」とされてきた教え方だと、子ども時代にとんでもない努力をしなければならず、結局は絵を描くのが嫌いになってしまうと私は考えます。
それよりも、簡単な「小ワザ」を使って「自分にも描けた」という体験を持ち、「絵を描くコツ」をつかんだほうが、くり返し創作活動をする意欲が生まれ、上達につながると思うのです。では、キスラー流の「小ワザ」を詳しく説明していきましょう。
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