ウッズ使用「新ドライバー」にゴルフ界が注目の訳 ゴルフクラブのヘッド材料にカーボン使用のなぜ

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テーラーメイドゴルフの高橋伸忠氏(写真:筆者撮影)

「STEALTH(ステルス)」というブランド名のゴルフドライバーが注目されている。このドライバーは2021年12月にタイガー・ウッズがアメリカ・フロリダで行われた「PNC選手権」で使用。息子チャーリーとペアを組み、交通事故から10カ月ぶりの復帰戦だった。

またコリン・モリカワが1月のハワイで行われた「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」で使っており、どんなクラブか発表前から話題となっていた。

注目されたのは、「ステルス」がドライバーの球が当たるフェース部にカーボン繊維素材を採用したカーボンウッドであること。ゴルフクラブの歴史の中で、エポックメーキングなクラブになる可能性がある。「ステルス」について、テーラーメイドゴルフ株式会社のハードグッズプロダクトアジアを担当する高橋伸忠ディレクターに話を聞いた。

ゴルフクラブのヘッド材料の変遷

ゴルフクラブの歴史の中で、大きな革新の一つは木製パーシモン(柿の木)ヘッドからメタルヘッドに変わったことだ。ヘッド材料を木のパーシモンから金属へ変え、今日のチタンまでにつながる技術の道筋をつけたのは他ならぬテーラーメイドである。同社は1979年にGary Adams(ゲーリー・アダムス)が創業し、ステンレス製のメタルドライバー「ピッツバーグ・パーシモン」を初めて世に送り出した。

パーシモンヘッドの時代が終わると、その後ゴルフヘッド素材は、芯を外してもミスが少なくなるヘッド体積を大きくする方向で、カーボンヘッド、チタンヘッドと変化していった。チタンは弾性率が低く、比強度も大きく、1990年の登場から主流となり、これに代わるものは出てこなかった。

製造技術が進みフェースを薄くできるようになり、2008年のゴルフ規則でヘッドの反発規制が出されるくらい反発性能もよい。チタンはゴルフヘッド素材として最適な材料で、各ゴルフメーカーも次の材料はないのではという雰囲気があった。特許を見てもチタンに代わる材料は見当たらなかった。

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