韓国大慌て、「まさか日中首脳が会うとは!」 日中首脳会談を受け、韓国が揺れている
「まさか本当に会うとは」(韓国外務省関係者)。11月10日に行われた日中首脳会談に対する韓国の反応は、この一言に尽きるのかもしれない。歴史問題や領土問題で中韓は歩調を合わせ、日本への圧迫を続けてきた。その一角が崩れる契機になることへの不安が、韓国全体を覆いつつある。
普段は日本に厳しい姿勢を見せる韓国メディアも、日中首脳会談を契機に朴槿恵政権の外交姿勢を批判し始めた。政権に親和的なメディアは「姿の見えない韓国外交」(朝鮮日報)、「国民が柔軟になれば外交も柔軟になる」(中央日報)とややソフトに批判。一方、政権に批判的なメディアは「指導力不足を露呈した朴槿恵外交」(ハンギョレ)、「政府は東北アジアの情勢の変化に適応しているのか」(京郷新聞)と手厳しい。
韓国外交に与えた衝撃
そのためか。日中首脳会談直後に、「中韓FTA(自由貿易協定)妥結」を韓国側は大々的に発表、メディアも大きく取り上げた。また、晩餐会で安倍晋三首相と朴槿恵大統領が隣同士となって会話を交わしたことが報道されると、朴政権への批判のトーンはぐっと下がった。とはいえ、「結局、戦略的ではない。日本のほうが一枚上手」(韓国の全国紙記者)という、後味の悪さを韓国側は感じているようだ。
逆に日本からすれば、「予想外」と漏らすほどの韓国の外交当局が、どのような情報収集をしていたのか、との疑問が湧く。実際に、日中首脳会談までの1週間、日本ではすでに首脳会談が「既定事実」のように報道され、政界からもそのような言葉が発信されていた。そんな状況を韓国外交当局はつかみきれなかったのか。本当につかみきれなかったとすれば、他国のこととは言え外交能力を疑わざるを得ない。
日中首脳会談直後、それでも韓国外務省はこの会談を「根本的な情勢の変化と見なすことはできない」と述べ、冷静さを装っている。しかし、そうであれば日韓関係は険悪とも言える現状のままだ。朴大統領が他国に行ってまで日本に要求してきた慰安婦問題をはじめとする歴史問題の解決に向けて、日本側からは納得できるような答えは出ていないし、今後も難しいだろう。果たして、それでいいのか。韓国内も揺れ始めている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら