各府省の税制改正要望まとまるが、見合いの財源探しは財務省との調整へ
今月15日までに各府省から再提出された税制改正要望(いわゆる「改要望」)が18日までにまとまった。単純合計で10項目の追加要望がなされ、雇用促進税制関連で4項目、生命保険契約等に基づく年金にかかる源泉徴収に関する取り扱い、更正保護法人や日本司法支援センターに寄付した場合の税額控除の導入を求める要望などがあった。
ただ、恒久的な歳出を必要とする新規施策や減税を行う際には、同一年度内にそれに見合う歳出削減や減税を行なわなければならないという「ペイ・アズ・ユー・ゴー原則」(ペイゴー原則)に沿った提案の出し直しはなかった。
このため、財務省の五十嵐文彦副大臣(写真)は同日夕刻の定例記者会見で、「査定官庁の側で、その対応する租特(租税特別措置、すなわち政策減税)の倒し方(どう廃止させるか)とか、法人税の見直しの考え方を提案することになる」と述べ、財務省側でペイゴー原則に沿った代替案を提案していく考えを示した。
来年度の税制改正をめぐっては、たとえば経済産業省が「わが国の立地競争力を高めるため、法人実効税率を主要国並みに段階的に引き下げる」として、第一段階として法人税率の5%引き下げ、金額にして1兆円の法人税減税を求めるなどの要望が出ている。しかし、各府省の要望通りに減税を行なうと来年度予算が組めないため、財務省側は財政再建や財政規律の観点から、上記のペイゴー原則に基づき、減収を伴う措置には見合いの財源を探すよう求めていた。
先週14日、池田元久・経済産業副大臣(前財務副大臣)に対しては、五十嵐副大臣が口頭で法人税減税の代替財源を提示するよう要求。その際、池田副大臣からは「月末までに回答する」との返事があったという。
また、19日から政府税制調査会の専門家委員会(委員長は神野直彦東京大名誉教授)の議論が再開することについて、五十嵐副大臣は「タブーなく、根本問題から、抜本的な税制改革につながる論点の整理をしていただきたい」と要望した
(撮影:梅谷秀司 =東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら