どうする?非正規雇用ママの「やりがい」問題 33歳、やりがいの小さい仕事を変えるべきか

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すごい人気企業かつ人気職種であれば、書類でデジタル判断、ということはありますが、「会って決めたい」と考える企業や人事、現場責任者もいっぱいいるのです。つまり、転職活動では、年齢とか転職回数とか制約条件とか、「こうでないと絶対だめ」というものでもない、とうことです。強い思い込みを持ってしまうと、選択肢を少なくしてしまうことになるのではないでしょうか。

契約社員から飛躍など、いろんな可能性がある

思い込み、でいけば、現状を変えるためには「転職」「正社員」という選択肢しか考えていないように感じられますが、それ以外の選択肢は考えてみましたか? 今の職場で正社員登用される可能性はないか、非正規雇用だとしても「黙々と作業する」以外の仕事に就ける可能性はないか、はたまた、ご主人の転勤などがあっても続けられるような「手に職」への道はないか、などなど、いろいろな可能性があるように思います。

私の元いた会社には、契約社員として入社した後、高い評価を得続けて、正社員登用され、今はマネジャーとして頑張っている、という友人が何人もいます。ある女性部下の契約が切れるタイミングで、関連会社に推薦したところ、正社員に採用され、今や営業部長として活躍している、というケースもあります。

また、私の同僚ワーママは会社を辞めて、20歳も年の離れた学生たちと専門学校で学び、栄養士の資格を取って、今は非正規雇用で生き生きと楽しそうに働いています。「転職して正社員」にならないと「やりがい」のある仕事に就けないってものでもない、と私は思いますよ。

それから、あなたのご相談には、「現状の両立を壊したくない」気持ち、「転職回数や年齢、子どもがいることなどの制約条件で思ったように転職できないのでは」「これから先はもっと不利になるのでは」という気持ち、「今後の両立はうまくいくのか」というこれからへの不安、とが混ざっていますよね。

「わからなくなる」のは、それらの気持ちをわけて考えてないから、だと思います。ごちゃごちゃにせずに、分けて一つひとつを考えていけば、何がいちばんの不安ポイントなのか明らかになるはずです。明らかにさえなれば悩みも絞られて、少しはラクになるし、解決策も見つけやすいのではないでしょうか。そして、いろいろな選択肢も見えてくるのでは? 悩みすぎではないかなぁ。ちょっと視界が狭くなってしまっているように思います。

スッキリ辞めた先輩のやり方

これもまた昔の話ですが、仲の良い先輩の女性が退職すると聞いて、ふたりで飲みに行き、「怖くないですか?」と聞いたことがあります。次が決まっていなかったし、いい年齢になっていたし(笑)。

そしたら先輩が、「辞めなかったときの状態と辞めたときの状態を仮置きしてみたの。そして、大きな紙の真ん中に線をひいて、それぞれの状態にあったときのいい面を左に、いやだなと思う面を右に書き出してみたのよ。すっごい正直に、人の目が気になる、とかね。自分しか見ない紙だからさ。そしたら、辞めた状態のほうが、いい面がいっぱい書けた。ああ、私は辞めたいんだなってわかったから、安心して辞められるんだ」と話してくれました。

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