東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #ウクライナ侵攻、危機の本質

ロシア「突然の軍事侵攻」その先にある4つの狙い ロシアはいったい何を考えているのか

9分で読める
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES

そこでプーチン大統領は電光石火、ドンバス住民のロシア領内への避難、ドンバスの独立承認、ドンバス国家との友好協力相互支援条約の締結、軍の派遣、ウクライナへの攻撃、と次々と指示を出した。これがロシア側から見たこれまでの経緯だ。

ロシアの「このままではウクライナを利用したアメリカやNATOに追いつめられる」という恐怖感を踏まえれば、ロシアはどこまで進むつもりなのだろうか。

ロシアの4つの狙い

ロシア軍はすでにウクライナの空港を始めとする軍事施設を攻撃している。一部地域については制圧したとしている。プーチン大統領は、「ウクライナの占領は計画していない」とし、ウクライナの非武装化が目的だと発言している。ここでこの「非武装化(demilitarization)」とはどこまでを意味するのかが焦点になってくる。上で解説したロシアの立場を踏まえれば、ロシアの狙いはウクライナの"中立化”であり、具体的には次の4点に絞られる。

① ウクライナの軍事力をロシア(というよりもドンバス)に脅威にならないところまで破壊する。
 ② アメリカによるウクライナへの軍事支援をあきらめさせる。
 ③ ウクライナのNATO加盟を絶対に認めないことを思い知らせる。
 ④ 欧州の安全保障体制についてのテーブルにアメリカをつかせる。

この観点から見れば、現時点ではウクライナが反撃できないようになることが、最も重要な目標となるだろう。どこまでやればウクライナが反撃できないまで非武装化されたと言えるのか、それは正直わからないが、プーチン大統領が言うように、ウクライナを占領下に置くことまではしないだろう。そこまでしては、②、③、④といった次の目標を達成する可能性がなくなるからである。

この「非武装化」というのは奇妙な戦争である。プーチン大統領はこれを戦争とは呼んでいない。「特殊軍事作戦」だという。これもまた、いわゆるハイブリッド攻撃、マルチドメインオペレーションと言える。つまり、占領を目的とせず、ある程度の攻撃で無力化したら、交渉によって目的とする成果を勝ち取る、というある意味で柔軟な戦術である。

次ページが続きます:
【日露戦争と比べてみると】

5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象