誰もが「演技をしながら生きている」と言える理由 「パフォーマンス心理学」の4つの学問領域

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自己表現力指数を指す「PQ」というものをご存じですか(写真:metamorworks/PIXTA)
いま、ビジネスにおいてIQやEQ以上に重要といわれる概念があります。それが、自己表現力指数を指す「PQ」というものです。いったいどのようなもので、どう役立つのか?『成功はPQで決まる』より一部抜粋・再構成してお届けします。

 

「表現されない実力は、無いも同じである」

この考え方を土台として、私はもう40年以上もの間、自己表現の科学的研究と教育を目指してパフォーマンス学(後にパフォーマンス心理学)を専門にして、実験を繰り返し、データを集積してきました。

パフォーマンス心理学というと、演劇の一種だと思う人が多くいます。一方、心理学だと思っている人もいます。

「パフォーマンス心理学って何ですか。それは既存の学問だと何に該当しますか」

と遠慮がちに聞かれることもよくあります。そこで、学際学問としてのパフォーマンス心理学の領域を明らかにしましょう。

パフォーマンス心理学の面白い特徴は、心理学、演劇学、スピーチ・コミュニケーション学、社会学・文化人類学の、主として4つの既存の隣接学問領域を自由に行き来し、それらの知識や考え方を自由に利用する「学際学問」であることです。

当然、勉強範囲は広くなりますが、人間の自己表現研究と教育のスペシャリスト兼ジェネラリストであることが、パフォーマンス研究をするすべての人の仕事だと言ってもいいでしょう。

誰もが日々俳優以上に演技している

ここで「パフォーマンス心理学は4つの領域の中でも何に最も近いか」という問いにも答えましょう。一番は演劇学です。

私たちの、日々誰にも見られず、本当に無意識の時間での言動ならば、「演技性」はないかもしれません。

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