500円で加入できるコロナ保険が話題になっています。PayPayほけんの場合、3カ月分500円をPayPayで支払うと、医師に新型コロナと診断された場合に5万円のお見舞金が入ってきます。
「最前線で社会を支えるあなたに」
という販売コピーのとおり、この保険の主な契約者は小売、飲食、物流などの現場で働いていて、もしコロナ陽性となってしまったら収入が途絶えるリスクがある若者が多いそうです。
さて、
「宝くじを買うのは損だよ。なぜなら300円のくじを買っても期待値は150円にしかならないから」
という話があります。
経済に詳しい方はご存じだと思いますが、保険と宝くじは本質的には同じメカニズムの商品です。どう同じなのかはこれから説明するとして、そうだとしたらコロナ保険に入るのも損なのでしょうか?
コロナに感染する確率は?
今回は3つのステップで説明します。
ステップ1 あなたがコロナにかかる確率は?
オミクロン株が猛威をふるっているのは皆さんご存じのとおりですが、感染確率を考えたことがありますか? 昨年9月にデルタ株がピークアウトして以降、12月までは新型コロナの新規感染者数は非常に少なくなっていました。
それが1月になってオミクロンで急に感染者数が増加したわけです。日本の場合1月の新規感染者数がほぼほぼオミクロン株の感染者数と言っていいぐらいの状況です。その1月の新型コロナ感染者数は約100万人です。
さて、今から保険に入るかどうかを考えるためには、ここから先のオミクロン株の感染者数が何人になるかを予測する必要があります。
まずいちばん少ないシナリオは?
最も楽観的に言えば「今日がピークで、そこからピークアウトしていく場合」です。新型コロナの感染者グラフは皆さん何度もご覧になっていると思いますが、感染者の増加時期とピークアウト後の減少時期はグラフがちょうど左右対称になる傾向があります。ですから仮に2月1日がピークでそこから減少に転じたとしたら、これからコロナにかかる人の数はちょうど1月と同じ100万人程度という予測が成り立ちます。これを楽観シナリオとします。
では「本当に新型コロナが明日ピークアウトするの?」というと、明日はちょっと無理かもしれません。コロナがピークアウトするかどうかを調べるにはひとりの陽性患者が何人にコロナを感染させるかを示す実効再生産数を見る必要があります。
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