コロナ保険に入るか迷う人に知ってほしい3論点 期待値で考えず万一に備えるのが加入判断の本質

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オミクロン株はそれまでになかったほどの高い実効再生産数が特徴です。オミクロン株が急増した1月9日がピークで実効再生産数はなんと5.9、1月20日頃までは2よりも高い状況が続いていました。それが1月下旬に入ってようやく1.5以下まで下がってきましたが、第5波までの状況に比べればまだまだ実効再生産数は高いレベルにあります。

第5波のときのデルタ株がピークアウトの兆候を見せた昨年8月26日の実効再生産数は1.09でした。その後8月29日に実効再生産数が0.98と1を割ってデルタ株のピークアウトが明白になったことを考えると、オミクロン株のピークアウトは今ではない。専門家が予想するように2月中旬頃になる可能性のほうが高いでしょう。

もしそうだとすれば新規感染者数の山はもう少し増加が続き、ピークを超えて現在の人数に戻ってくるのは今から3週間ぐらい後になるかもしれません。新規感染者数が8万人を超える日がこれから約20日続くとしたらこの先の感染者数の概算値は先ほどの100万人ではなく260万人ぐらいの水準になりそうです。これを中間シナリオとします。

そしてもっと危険なパターンは2月中旬ではピークアウトしないケースです。実際、欧州では人口の半数が新型コロナに感染するリスクがあるという話があります。日本はさすがに人口の半数はないとは思いますが、ワクチン未接種者が2400万人規模で残っていることを考えると、1000万人近くまで感染者が増えるという悲観シナリオも考えられます。

これは結構物凄い予測数字で、要するにたとえ中間シナリオだとしてもこれまで新型コロナが発生してからの累計感染者数約270万人と同規模の感染者が新たに2月と3月に出現する可能性があると言っているわけです。

人口比で計算すると約2%

さて、確率と期待値の話をしてみましょう。仮にこれから260万人が新規に感染するとしたら私やあなたが感染する確率は残念な数字ですが人口比で計算すると約2%ということになります。ここからは算数の計算です。

「2%の確率で5万円がもらえるくじがあったとします。もらえる期待値はいくらでしょう?」

これは5万円×2%=1000円が答えです。500円の保険にはいる期待値が1000円なので「コロナ保険は買わなければ損だ」ということです。ちょっと意外な計算結果だったのではないでしょうか?

そこで、

「ではなんでPayPayほけんは500円で加入できるの?」

という話ですが、いちばん考えられる可能性は、保険商品を設計したときの想定よりもずっとオミクロン株の拡大が急だったということでしょう。

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