コロナ保険に入るか迷う人に知ってほしい3論点 期待値で考えず万一に備えるのが加入判断の本質

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昨年の夏に猛威をふるったデルタ株の新規感染者数が100万人でした。その数字を参考に「最大でも100万人の感染者が出るから感染確率0.8%ぐらいを覚悟して」ぐらいの商品設計をしたのであれば、さきほどの期待値は5万円×0.8%=400円ですから、500円で販売しても損にはならない。

ではこの赤字かもしれないコロナ保険はこれからどうなるのでしょうか? 実は昨年、デルタ株が急増する中で第一生命の関連会社が販売していた「コロナminiサポほけん」が9月1日に販売一部休止になっています。もともと状況が悪化すれば保険料を増額する設計で関東財務局に届け出ていたのですが、その上限をデルタ株の増加スピードが超えてしまったのです。

Twitter上ではコロナ保険にすでに加入しているユーザーから「更新の案内が来たら保険料がびっくりするほど上がっている」という報告も来ています。

確率期待値が販売価格よりも高い保険商品は、商品として永続はできません。つまり冒頭のコロナ保険に関して言えば、「今、入っておかないと、ひょっとすると来週にはこの商品、なくなっちゃうかもしれないぞ」というのがお得なコロナ保険に対する私の未来予測です。

仮に1500円に上がっても入ったほうがいい人とは?

ステップ2 確率期待値が低かったら保険に入らないほうがいい?

さて、今のオミクロンの感染状況下で、500円の保険料で5万円のお見舞金が出るというコロナ保険は、単純な経済計算では加入者にお得な赤字商品のようです。では、もしもっと保険料が高かったら、保険に入る意味はないのでしょうか?

たとえば商品の見直しがあって、

「1500円の保険料で、もしコロナにかかったら5万円のお見舞金が出る」

という改悪商品(?)がでてきたとしたらどうでしょう?

もし読者のみなさんが冒頭でも書いた「小売、飲食、物流などの現場で働いていて、もしコロナ陽性となってしまったら収入が途絶えるリスクがある若者」という保険の主な販売対象者だったとしたら、私は3カ月1500円の保険料だとしてもこの保険に入るべきだと断言します。

その理由は、保険に入るかどうかは期待値の損得勘定で決めるべき話ではないからです。

私はもう40年以上、対人/対物事故の賠償金などを補償する任意の自動車保険に入っています。毎年数万円の保険料を払っていてまだ得をしたことはありません。でも保険に入っている理由は、

「万が一の時に請求されるであろう莫大な賠償金など自分の資産では支払えないから」

です。

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