東京オートサロン2022に見る5つの最新トレンド 自動車メーカーやユーザーニーズを分析する
まずは、2021年12月にEVシフトの大規模な計画刷新を発表したトヨタ。2022年に世界各地で発売を予定するSUVタイプのBEV「bZ4X」をベースとするカスタマイズカーを展示した。「bZ4X GRスポーツ コンセプト」と命名された当モデルは、ボディカラーにマットグレーを採用。ホイールをインチアップさせるとともに、車高をローダウンし、スポーツシートを装備するなどで、スポーティな味付けを施した仕様だ。
ほかにもハイブリッド車では、レクサス・ブランド初のPHEVモデルで、2021年11月に発売した「NX450h+」をオフロード車風にアレンジした「NX PHEVオフロードコンセプト」も公開。EVではないが、排ガス対策としてトヨタが電動車とともに開発を進める、水素エンジン(水素を燃料とする内燃機関)搭載のバギー「レクサスROVコンセプト」も披露した。環境対策について、BEV一辺倒ではなく、「ユーザーの選択肢を残す」という全方位戦略をとるトヨタらしい展示内容だ。
三菱やスバルも新型EVを展示!
一方、三菱自動車では、「K-EVコンセプトXスタイル」を公開した。同社が日産と共同開発を進め、2022年度初頭に発売を予定している軽自動車BEVのコンセプトモデルだ。外観には流行のSUVスタイルを採用。フェイスデザインは同社の軽ハイトワゴン「eKクロス」と非常によく似たフォルムだ。
なお、軽自動車のBEVでは、車体が小柄なため大型バッテリーが搭載できず、1回の充電で走れる航続距離などに課題がある。三菱自動車の担当者によれば、当モデルには「総容量20kWhのバッテリーを搭載する」という。まだ、コンセプトカーの段階なので、仕様は変わる可能性もあるが、実際の市販モデルがどのようなスペックになるのかも注目だ。
スバルでは、モータースポーツ向けBEV「STI E-RAコンセプト」を公開した。スバルのスポーツ部門STIが主導して開発を進める同モデルは、モータースポーツの世界で新しい技術の経験と修練を積むことを目的とした新プロジェクトの一環として製作された。4輪それぞれに駆動用モーターを搭載したオールタイムAWD車で、最高速度は優に300km/hを超えるという。今後は、4モーターの制御技術などを進化させ、2023年にドイツにあるサーキット・ニュルブルクリンクにおける2シーター・2ドアのEVレコードタイム樹立に挑戦する予定。また、将来的には、スポーツモデルなど市販車への技術フィードバックを目指すという。
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