東京オートサロン2022に見る5つの最新トレンド 自動車メーカーやユーザーニーズを分析する
なかでも今回の目玉は「GR GT3コンセプト」だ。GRは、トヨタ ガズーレーシングのブランド名、GT3は主に欧州などで行われているレースのカテゴリーで、市販されているレーシングマシンで競うものだ。つまり、このマシンは、将来的にトヨタが発売を予定する競技用車両のプロトタイプであることを意味する。
ほかにも今回のブースでは、コンパクトカー「ヤリス」のスポーツ仕様「GRヤリス」をベースに、よりパワーなどを向上させた「GRMNヤリス」を初披露した。500台限定で2022年夏頃より発売を予定するこのモデルも競技用車両だ。オンロード競技を見据えた「サーキットパッケージ」と、オフロード競技向けの「ラリーパッケージ」を用意する。
ほかにも、例えばスバルでは、2021年11月に発売したハイパフォーマンスモデル「WRX S4」をベースに、エアロパーツなどを装着した「WRX S4 STIパフォーマンスコンセプト」を展示した。自社スポーツ系ブランド「STI」が手がけたカスタマイズ仕様で、パーツなどが近々発売されることが予想される。
一方、アフターパーツメーカーの展示車両に目を移すと、2021年に発売された新型スポーツカーのトヨタ「GR86」と、その兄弟車スバル「BRZ」に関連したパーツやカスタマイズ車両が大量に展示された。とくにHKSやトラスト、ブリッツ、クスコといった有名パーツブランドの各ブースでは、エンジン関連からマフラー、サスペンション、エアロパーツなど、数々の商品を装着したデモカーを一斉に展示した。また、有名プロショップが手がけたチューニングカーにも、GR86やBRZをベースにした車両が多い印象で、まさに「GR86&BRZ祭り」の様相を呈していた。
これら2モデルのオーナーには、サーキット走行やワインディングなどでスポーツ走行を楽しむため、愛車をカスタマイズする層が多い。各社は、久々に出たカスタムベースとなるスポーツカーの登場を契機と捉え、熾烈な顧客獲得合戦を繰り広げていたといえるだろう。
キーワード4:新型EVコンセプトカー
近年の自動車業界では、カーボンニュートラルに向けBEVなどの電動車が話題になっているが、その潮流は東京オートサロンでも如実に表れた。とくに自動車メーカーのブースには、BEVやハイブリッド車のコンセプトモデルも数多く展示された。
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