クラウン エステート「待った甲斐あり」と思わせる機能性だけでない出来のよさ(特にPHEV)

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クラウン群のデザインアイデンティティをもつフロントマスクで登場した「クラウン エステート」(筆者撮影)
クラウン群のデザインアイデンティティをもつフロントマスクで登場した「クラウン エステート」(筆者撮影)

トヨタ自動車が「クラウン エステート」を2025年3月に発売した。メーカーでは「新世代のSUV」などという。新技術の採用もあるし、ドライブすると、独特の乗り味。そのクルマづくりのコンセプトは、注目に値する。

クラウン エステートは、クロスオーバー、スポーツ、セダンに続き、「クラウン群の4つ目のモデル」とされる車種。エステートとはステーションワゴンの呼び替えで、クラウンでは10代目(1999年)のワゴンモデルにエステートの名を使っている。

1999年「クラウン エステート アスリートV」(写真:トヨタ自動車)
1999年「クラウン エステート アスリートV」(写真:トヨタ自動車)

今回のエステートは、上記モデルが2007年に生産中止になって以来、18年ぶりの登場だ。

ステーションワゴン試乗はSUVとミニバンがとって代わったが、セダンベースのワゴンには、それらとは違うよさがある。立体式駐車場に入れやすいとか操縦性とか乗り心地とか、メリットは多い。

とはいえ今回のクラウン エステートは「新世代のSUV」である。全高は1620mmで、立体駐車場には入らない。それでも乗ってみると、「エステート」と名付けた理由は、よくわかる。

【写真】クラウン エステートの内外装とディテールを見る(67枚)

機能がひと目でわかるデザイン

今のクラウンは、先述のとおり“群”として4つのモデルが同時に発表された。最初にクロスオーバーが2022年に発売され、2023年にスポーツとセダンが続いた。

最初の3モデルは、ボディコンセプトが個性的だったりボディパネルに強い抑揚があったり、独自のデザインを持つ。対するエステートは、機能がひと目でわかる形をしている。

リアクォーターピラーを太くすることでロングルーフのワゴンボディの印象が薄らいでいるがプロポーションはワゴン的(筆者撮影)
リアクォーターピラーを太くすることでロングルーフのワゴンボディの印象が薄らいでいるがプロポーションはワゴン的(筆者撮影)

グレードは2つあり、「Z」がハイブリッド(HEV)、「RZ」がプラグインハイブリッド(PHEV)。ICEと通称されるノンハイブリッドのガソリン車を設定しなかったことについて、トヨタ自動車の開発担当者は「環境適合性」と端的に答えた。

「購入する人は(環境適合性が高いとされる)“ハイブリッド車に乗っている”というイメージを大切にしています」

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