ライバルはテスラ「モデルY」BYDの新電動SUV「シーライオン7」490万円台~の競争力

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ボンネットを薄く見せつつタイヤの存在感を強調したデザイン(筆者撮影)
ボンネットを薄く見せつつタイヤの存在感を強調したデザイン(筆者撮影)

中国でもっとも売れているブランド、BYDの日本法人、BYDオートジャパンが2025年4月に電動SUV「シーライオン7」を日本で発売した。

トヨタ「ハリアー」などよりひとまわり大きな余裕あるサイズで、デジタル技術も充実。広い意味で電動化に強いBYDならではのデジタル技術を、広範囲に適用しているのが特徴だ。

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日本ではBEV(バッテリー駆動のEV)のセールスの伸びがゆるやかだが、BYDは積極的でこのシーライオン7が日本で4つめのモデルになる。

おもしろいのは、BYDの日本市場での方針だ。これまで日本ではBEVだけを販売してきたが、2025年中にPHEV(プラグインハイブリッド)の導入を発表している。

フレキシブルに市場の変化に対応しようというわけだ。ちなみにBYDの世界での販売を見ると、実はBEVよりPHEVのほうが多い。

実に販売の6割をPHEVが占めているそうだ。日本に導入されるモデルは、新開発のエンジン搭載などとも言われているので、それも楽しみである。

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プロダクトとしての魅力が濃い

なにはともあれ、シーライオン7の出来はよい。ゆったりしたサイズとしっかりした走り、それにデジタル技術を使った機能が充実していて、プロダクトとしての魅力が濃いのだ。価格でも装備でもテスラの上を行こうという意図がみてとれる。

シーライオン7は、日本で既発のBEVセダン「シール」と基本プラットフォームを共用。大型の駆動用バッテリーをボディの一部として使う、BYDオート独自の「セル・トゥ・ボディ」構造を採用する。

ルーフ後端のスポイラーなどバッテリー消費に影響を受ける空力低減のために高い配慮がなされている(筆者撮影)
ルーフ後端のスポイラーなどバッテリー消費に影響を受ける空力低減のために高い配慮がなされている(筆者撮影)

駆動用バッテリーは、82.56kWhの容量を持つLFP(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリーだ。LFPバッテリーは、従来の三元系リチウムイオンと比べエネルギー密度で劣るが、熱安定性をはじめ、繰り返し充電や安全性、コストに優れるとされる。

日本に導入されるシーライオン7は、リアモーターの後輪駆動と前後にモーターを搭載する全輪駆動(AWD)の2モデルだ。

出力とトルクは、後輪駆動が230kWと380Nm。AWDは加えて、160kWと310Nmの前輪用モーターがつく。後者では、アクセルペダルの踏み込み量に応じて、フロントモーターが加勢するようだ。

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