中国BYD「ドルフィン」はオススメできる車なのか 実質200万円台~コンパクトBEVの実力を検証

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市街地で扱いやすいサイズがセリングポイント。車体側面のふくらみがイルカの躍動感をイメージしているとか(筆者撮影)
市街地で扱いやすいサイズがセリングポイント。車体側面のふくらみがイルカの躍動感をイメージしているとか(筆者撮影)

BYDが日本攻勢を強めている。2023年1月にBEV (ピュアEV)の「BYD ATTO 3」を日本導入したのに引き続き、2023年9月20日にひとまわりコンパクトな「ドルフィン」を発売したのだ。

また、2023年終わりまでには、セダンタイプの「シール」導入も予定されている。なぜ、この時期に立て続けにBEVを日本導入するのだろうか。

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考えてみると、今は“悪くない時期”なのだろう。日本のメーカーは、欧米勢ほどBEVのラインナップが充実していないうえに、BYDは価格的にも競争力をもたせている。

同じアジアからだと、2022年5月に韓国のヒョンデがBEV「アイオニック5」を日本発売したことも記憶に新しい。シャープなスタイリングやバリエーションの豊かさなどから、当初はおおいに期待されたモデルだ。

しかし、ボディサイズが全長4635mmと大きめで(ホイールベースは3000mmもあって室内は広いけれど)使い勝手の面で制約を受けるユーザーがいることと、オンラインのみでの販売方法がハードルとなっていて、販売台数はそれほど増えていない。

ヒョンデ「アイオニック5」はシャープなスタイリングが特徴的。価格は479万円~(写真:Hyundai Mobility Japan)
ヒョンデ「アイオニック5」はシャープなスタイリングが特徴的。価格は479万円~(写真:Hyundai Mobility Japan)

そんな中でBYDは、「2023年内に正規ディーラーを20以上、2025年末までに100店舗展開予定」(プレスリリース)と、対面型販売を強調する。

第1弾として発売されたATTO 3は走りの性能も高く、自治体の各補助金を引かない正札で440万円という価格とあいまって、日本のプレスを感心させた。

ドルフィンは、いってみれば“同じ路線を狙ったモデル”である。

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同じ路線でも「サイズだけ」のクルマではない

「ATTO 3よりひとまわりコンパクトなクルマが欲しい、といった声に応えて導入を決めました」

BYD Auto Japanの東福寺厚樹代表取締役社長は、ドルフィン導入にあたっての記者会見の席上で、上記のように語った。

たしかにドルフィン、私が乗った印象では、サイズだけが武器ではなさそうだ。操縦性が高く快適、そして広い。さらに、安全装備や運転支援システムが標準でフル装備という割安感も、大きな武器だ。

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