中国BYD「ドルフィン」はオススメできる車なのか 実質200万円台~コンパクトBEVの実力を検証

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ただし、昨今のファッション業界では、ビーガンレザーはビーガンレザーで化学物質が廃棄されるというし、むずかしい……。BYDはそのあたりにも敏感そうなので、そのうちファブリックになるかもしれない。

「ドライバー注意喚起機能」をはじめ、「幼児置き去り検知システム」「誤発進抑制システム」「フロントクロストラフィックアラート」、そして「フロントクロストラフィックブレーキ」など、安全支援システムの充実ぶりにも注目したい。

ダッシュボード中央のモニターは電動で90度回転して、縦型としても使える(筆者撮影)
ダッシュボード中央のモニターは電動で90度回転して、縦型としても使える(筆者撮影)

「幼児置き去り検知」は、車内のミリ波レーダーを使い、駐車中にほんのわずかな動きでもあるとホーンとライトで、車外に伝える仕組みだ。

非常に有効な仕組みだと思うが、より完璧にこの機能を周知させるために、メーカーは私たちに「どんなふうに鳴ったら危険の信号か」を教えておいてほしいと思う(コマーシャルとかで)。

さらに感心したのは、乗り降りの際にドアを開けるとき、自転車などが接近してきたら警報を鳴らすシステムだ。降車時だけでなく、乗るためにドアを開けるときにも鳴るというのは、実際に使って「ありがたい」と思う場面がありそう。

ドルフィンに搭載される安全装備の機能解説(写真:BYD Auto Japan)
ドルフィンに搭載される安全装備の機能解説(写真:BYD Auto Japan)

ちなみに「ドライバー注意喚起機能」「幼児置き去り検知システム」「誤発進抑制システム」「フロントクロストラフィックアラート」「フロントクロストラフィックブレーキ」「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」などは、ATTO 3にないドルフィン専用装備だ。

このあたりも、ドルフィンの市場価値を高めている。これが世界の潮流だとしたら、日本メーカーもがんばらないと……と思ってしまう。

所有満足度の高い1台になる

ドルフィンの価格は、標準モデルが363万円。CEV補助金(65万円)を得られれば200万台で購入できる。ロングレンジは407万円で、こちらもCEV補助金(65万円)の対象だ。東京都など、自治体からの補助金があれば、さらに安くなる。

ロングレンジに用意される「コーラルピンク×アーバングレー」という2トーン車体色(筆者撮影)
ロングレンジに用意される「コーラルピンク×アーバングレー」という2トーン車体色(写真:BYD Auto Japan)

日本には、2023年10月にまず標準モデルの「アーバングレー」車体色のモデルが導入される。続いて11月に標準モデルの「コーラルピンク」と「サンドホワイト」、そしてロングレンジの「スキーホワイト×アーバングレー」がくるという。ロングレンジの残り3色は、12月になるそうだ。

気に入る車体色がすぐにない人にとっては、少々待つことになるが、きっと所有満足度の高いクルマになるだろう。

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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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