クラウン エステート「待った甲斐あり」と思わせる機能性だけでない出来のよさ(特にPHEV)

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そういえばレクサスでも、いわゆる社会的地位が高い人が乗る場合、トランクバッジにハイブリッドをあらわす「h」がついていることが重要だと聞いたことがある。おもしろい時代になったなぁと思う。

クラウン エステートのHEVとPHEVは、別の機会だが、2台ともドライブしたことがある。「どちらがいいか」と聞かれたら、私は「PHEVが好きだ」と答える。上記は乗ってみての結論で、理由は2つある。

PHEVモデルの燃費はWLTCモードで20.0km/L(筆者撮影)
PHEVモデルの燃費はWLTCモードで20.0km/L(筆者撮影)

PHEVだけの「リアコンフォートモード」

4気筒2487ccのエンジンも、E-Four(電気式4WDシステム)を構成する前後モーターの出力とトルクも、HEVとPHEVで共通。だけれど、PHEVはモーターだけで89km走るとされているように、加速がよくて、軽快感もある。それがひとつ。

もうひとつは、PHEVにそなわる「リアコンフォートモード」だ。ドライブモードのひとつで、ひとことでいうと「後席の乗り心地を快適にする」モード。

「DRS」(ダイナミックリアステアリング=後輪操舵)と「AVS」(アダプティブバリアブルサスペンション=電子制御ダンパー)の設定が変わり、車体の動きが変化する。

「Rf COMF=リアコンフォートモード」が設けられているドライブモードの選択画面(筆者撮影)
「Rf COMF=リアコンフォートモード」が設けられているドライブモードの選択画面(筆者撮影)

ステアリングホイールの切れ角や、速度に応じて後輪に角度をつけるDRSの動きをやや抑えるとともに、AVSでサスペンションの動きを調整。ふたつを統合制御する。

「車体がゆっくりと向きを変えていくとともに、ロール速度が抑えられるので、乗員は横Gを感じにくくなることで、快適に乗っていていただけます」。トヨタ自動車のサスペンション開発担当者はそう説明する。

リアコンフォートモードは、2024年にマイナーチェンジを行ったクラウン クロスオーバーの一部車種にも採用されている。

「自分で運転するときにも積極的に使っていただける技術」と開発担当者がいうとおり、駆動トルクがたっぷり感じられる一方で、乗り心地は快適志向。大型セダンのような雰囲気で、とてもよいと思った。

「クラウン クロスオーバーとクラウン スポーツで培ったノウハウを、乗り心地と走りの両立という目的のために生かしました」と開発担当者。

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