東京オートサロン2022に見る5つの最新トレンド 自動車メーカーやユーザーニーズを分析する

ソルテラSTIコンセプトの外観（筆者撮影）

ほかにもスバルでは、トヨタと共同開発したSUVタイプBEVで、2022年度中の発売を予定する「ソルテラ」（兄弟車はトヨタ・bZ4X）のカスタマイズカー「ソルテラSTIコンセプト」も展示。外装にエアロパーツなどを施すことで、BEVにおいてもスポーティな同社のブランドイメージを継承することをアピールした。

なお、輸入車ブランドでも、ルノー・ジャポンが2022年春に国内導入を予定する新型ハイブリッドSUV、ルノー「アルカナE-TECHハイブリッド」を展示。独自のハイブリッドシステムを採用する同モデルは、F1（フォーミュラーワン）マシン「アルピーヌA521」で培ったトランスミッション技術を応用。優れた燃費性能と高い運動性能の両立を実現するという。

キーワード5：アウトドア系の台頭

ホンダが展示していたN-WGNをベースにした「N-WGNピクニック」（筆者撮影）

かつて東京オートサロンで、チューニングカーと並んで多かったのが、ミニバンとセダンのカスタマイズカーだった。だが最近は、いずれのジャンルも新車販売台数の減少により自動車メーカーがラインナップを縮小したことや、カスタム人口も減ったことで、当イベントでも展示車両が激減した。代わりに台頭してきたのが、「アウトドア系」だ。近年人気のキャンプや車中泊など、アウトドアでクルマを楽しむユーザーが増えたことで、SUVやワンボックスカーなどをベースとしたカスタマイズ車両が急増した。また、屋根に荷物を積載するルーフキャリアや屋根に就寝スペースを追加できるルーフテントなど、自然を楽しむレジャー向けパーツに人気が集まっている。

日産のキャラバン マウンテンベース コンセプト（筆者撮影）

今回のイベントでも自動車メーカーをはじめ、多くのショップなどがアウトドア系の車両やパーツを展示した。例えば、日産では、ワンボックスカーの「キャラバン」をベースに、トレイルランナーが山遊びをする際のベース基地にできる「キャラバン マウンテンベース コンセプト」を展示。また、同じくキャラバンの室内を自宅のリビング風に仕立てることで、自然の中でくつろげる空間を演出した「キャラバン マイルーム コンセプト」も出展した。さらに、日産傘下のカスタマイズブランド「オーテック」では、「ノート」をSUV風に仕上げた「ノート クロスオーバー」のカスタマイズ仕様を参考出品している。

アトレーをベースにしたキャンパーVer.（筆者撮影）

ダイハツは、軽ワンボックスカーの新型「アトレー」に追加された荷台付き仕様「アトレー デッキバン」をベースとする「キャンパーVer.」を出展。屋根に設置することで、停車時に就寝が可能なルーフテントなどを装備した、いわば車中泊仕様を提案している。