東京オートサロン2022に見る5つの最新トレンド 自動車メーカーやユーザーニーズを分析する

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ゴルフGTIの外観(筆者撮影)

 

輸入車ブランドでも、フォルクスワーゲンが2022年1月7日に発売したばかりのスポーツ車「ゴルフGTI」を展示。また、それをベースにドイツの老舗チューナーと共同開発したボディパーツを装備し、今後発売を予定する「ゴルフGTIエッティンガー」もお披露目した。

ロータスのエミーラ(筆者撮影)

ほかにも、2022年春に生産が開始され、日本導入も決定しているロータスのスーパーカー「エミーラ」、ルノー傘下であるアルピーヌの軽量スポーツカー「A110」の新型モデルなど、さまざまなスポーツカーが初公開された。

国内外のメーカーやブランドが東京オートサロンへ、とくにスポーツモデルの新型車を発表する背景には、当イベントがもともとチューニングカーの展示会からはじまったことが挙げられる。チューニングカーとは、市販車をベースに、エンジンパワーや足まわりなどの動力性能をアップし、外装には空力特性に優れるエアロパーツなどを装備するカスタムスタイルのことだ。その昔は、公道などを飛ばす「危ない層」もいたが、近年では多くのユーザーがサーキット走行などモータースポーツを楽しむためにカスタマイズすることが一般的だ。

アルピーヌのA110(筆者撮影)

そのため、同イベントの来場者には、スポーツカー愛好家も多い。つまり、東京オートサロンは、メーカー側として、将来自社の製品を購入してもらえる可能性が高い「上質の見込み客」が集まるイベントなのだ。通常時であれば30万人が集まり、今回もコロナ禍で収容人数は制限されたが、それでも多くの注目が集まった大型イベントだけに、各社もおのずと力を入れるのだ。

キーワード3:モータースポーツ

トヨタ ガズーレーシングのGR GT3コンセプト(筆者撮影)

東京オートサロンの一般来場者には、スポーツカー愛好家も多いが、そういった層の中で多くの割合を占めるのがレースなどモータースポーツのファンだ。そのため自動車メーカーでは、例年、最新のレーシングマシンをはじめとする競技専用車や、新型のスポーツモデルにチューニングを施したコンセプトカーなども多数展示する。

例えば、例年トヨタは、本体のトヨタブランドではなく、同社のレース活動やスポーツ系パーツなどを手がける「トヨタ ガズーレーシング」として出展する。展示車両もWRC(世界ラリー選手権)やFIA世界選手権、国内のスーパーGTなどに参戦する最新のレーシングマシンを並べる。また、レース向け車両のコンセプトカーなども多い。

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