東京オートサロン2022に見る5つの最新トレンド 自動車メーカーやユーザーニーズを分析する

拡大
縮小
モデリスタが出展していたノアのカスタマイズモデル(筆者撮影)

なかでも、近年の新車販売台数で好調なのはトヨタの2モデル。とくに先代のヴォクシーは、日本自動車販売協会連合会のデータによると、2021年通年(1~12月)の登録車新車販売台数で7万85台(全体の9位)となり、ミドルサイズミニバンではトップを記録した。先代ノアの同期間における新車販売台数が4万4211台(全体の18位)だから、2モデルの合計は11万4296台。対する先代ステップワゴンは、これも同期間のデータで3万9247台(全体の19位)と低迷しており、1990年代半ばから同ジャンルの人気を牽引してきたモデルながら、存在感はちょっと薄くなった印象だ。

モデリスタが出品していたノアのフロントフェイス(筆者撮影)

売り上げ好調のノアとヴォクシーだが、4代目となる新型モデルのカスタマイズカーは、トヨタ傘下のアフターパーツメーカー「モデリスタ」から出展された。まず、ノアのカスタマイズで大きな特徴は、フェイスデザインの変更だ。ベース車両も先代以上にインパクトを増したフロントグリルを採用するが、カスタマイズ仕様では、よりワイドで立体的造形とメッキ加飾を施した「フロントグリルキット」を装着。さらなる精悍さと洗練された雰囲気を演出する。

ノアに装着されていた18インチホイール(筆者撮影)

またホイールは、ベース車が16~17インチなのに対し、18インチと大径化し、すり鉢調の「コンケイブ」と呼ばれるデザイン手法を用いたオリジナルに換装。スポーク外周部の黒塗装面には、アクセントとして7本のレリーフを刻むことで、より大径感を強調している。

ヴォクシーのフロントフェイス(筆者撮影)

一方、ヴォクシーのカスタマイズ仕様も、やはりフロントグリルが印象的だ。よりワイルドさを増したベース車に対し、こちらはシャープさを増した形状としている。また、グリル上部には、LEDを装備した「シグネチャーイルミグリル」、リアゲート上部にも同じくLEDで光る「イルミルーフスポイラー」(ノア&ヴォクシー共通)を装着。アフター業界で人気が高い光りモノ系パーツを採用することで、よりユーザーのニーズにマッチしながら、個性を強調するギミックが施されている。なお、ノアとヴォクシーのカスタマイズパーツは、すでにモデリスタから発売され、全国のトヨタ販売店などで購入が可能だ。

新型ステップワゴンもコンセプトモデルを展示

ステップワゴンe:HEVスパーダ コンセプトのリアビュー(筆者撮影)

対する新型ステップワゴン。ホンダは「ステップワゴンe:HEVスパーダ コンセプト」と名付けられた車両を展示した。独自の2モーターハイブリッドシステムを搭載した高級志向グレード「e:HEVスパーダ」のカスタマイズ仕様だ。こちらは、ベース車がまだ発売されていないため、当然だがカスマイズカーもコンセプトモデルという位置付けとなる。

次ページ近年の東京オートサロンは新型車を発表する場に
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT