過食や運動不足だけではない?肥満「第3の要因」 ウイルス感染や内分泌かく乱物質で起こる事も

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たしかに、貧困国での肥満増加はテレビやコンピューター、電子レンジやファストフードレストラン、ジュース、大容量で売られる食べものなどの贅沢な要因では説明がつきません。

しかし、だからといって……ウイルス?

ですが、肥満を引き起こすウイルスが存在することは確かです。それはアデノウイルス36と呼ばれる風邪ウイルスです。肥満者の3分の1以上がこのウイルスを有していると言われています。

風邪ウイルス感染で体重が増えることも

1990年代、アメリカの研究者たちがニワトリとマウスにこのウイルスを感染させると、動物たちの体重が急増しました。人間により近いサルでも同じ実験が行われ、全個体の体重が増えました。衝撃的だったのは、動物たちの食べる量や運動量は変わらず、代謝と、食べものを処理する方法が変わったために、体重が増えたことです。

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研究者たちによると、このウイルスのDNAは脂肪細胞に入り、血液中の糖と脂肪を蓄積させやすくします。そして、脂肪細胞の数までも増加させてしまいます。残念ながら、すでにこのウイルスに感染している場合、治療方法はありません。

このように、体重増加には数えきれないほどの要因があります。ここ数十年の肥満の大流行は、ファストフードのお店が増えたとか、テレビやPCの画面の前で過ごす時間が増えたとか、そういう短絡的なことで説明できるほど単純ではなく、もっと複雑に要因が絡み合っているのです。

「食べるから太る」。実はそんな単純な話ではないのです。

マリエッタ・ボン 医師・医学博士

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まりえった・ぼん / Mariette Boon

医師。医学博士。内科専門医。ライデン大学メディカルセンターで褐色脂肪について研究。60以上の共著書があり、自身の研究によって数々の国際・国内賞を受賞している。写真左。

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リーズベス・ファン・ロッサム 医師・医学博士

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りーずべす・ふぁん・ろっさむ / Liesbeth Van Rossum

医師。医学博士。エラスムス大学メディカルセンターの内科医・内分泌学者、教授。肥満とストレスホルモンの専門家。肥満の根本原因の診断と減量のためのオーダーメイド治療法の診断において国際・国家的に指導する肥満センターCGGの創設者。130以上の出版物や書籍へ寄稿し、TEDxなどストレスや肥満の分野で多数の講演を行っている。2016年には「肥満流行の解決策」を発表、20以上の国内賞を受賞。写真右。

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