過食や運動不足だけではない?肥満「第3の要因」 ウイルス感染や内分泌かく乱物質で起こる事も
不健康な食事や運動不足。これらが肥満の一因だということは明らかです。
しかし、近年ではそのほかのさまざまな要因が研究され、見えないところに潜む多くの肥満原因が見つかっています。ここでは、研究によって明らかになった新たな肥満要因である「睡眠不足」「ダイエット」「内分泌かく乱物質」「ウイルス」についてご説明します。
睡眠不足でなぜ体重は増えてしまうのか
睡眠が不足すると食欲が増します。とくにカロリーの高い食べもの、つまりファストフード系の食べものが欲しくなります。
ある研究によると、たった1日でも睡眠時間が5時間以下の日があると、ホルモンバランスが乱されるそうです。空腹ホルモンのグレリンが多くなり、満腹ホルモンのレプチンが減少して、強い空腹を感じてしまいます。
2グループの女性たちを16年間にわたって追跡調査した実験があります。1つめのグループの睡眠時間は1日7時間で、もう1つのグループは5時間以下でしたが、16年間で「短時間睡眠グループ」は、「長時間睡眠グループ」に比べて平均して増量していたのです。
また、キングズ・カレッジ・ロンドンの研究者たちは、よく眠るほど、食べものに関して良い選択をする傾向があることを発見しました。毎日1時間半、多く寝るように指導を受けたグループの人たちは、砂糖摂取量が10グラム減少し、炭水化物を食べる量も減ったことが判明したのです。