深津絵里の朝ドラ演技が「すごい」と称讃される訳 18歳を演じ「カムカムエヴリバディ」の救世主に

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深津絵里さんが13年ぶりの連ドラレギュラー出演でも「やっぱりうまい」と思わせる理由は? (写真:KCS/アフロ)

朝ドラ「カムカムエヴリバディ」(NHK)で2代目ヒロインを務める深津絵里さんへの称賛が続いています。

同作は「約半年間を3人のヒロインがリレーする」という異例の構成であり、初代ヒロインを上白石萌音さんが務めた「安子編」が終了したのは、昨年12月22日放送の第38話。翌23日の第39話から深津さんが2代目ヒロインを務める「るい編」がスタートしましたが、すぐに視聴率が上がったほか、連日メディアの記事と視聴者のSNSの両方で彼女を称える声が上がり続けているのです。

ネット上の声は、「やっぱり演技がうまい」「透明感が凄い」「40代で10代を演じられることに驚き」「ひさびさに見たけどかわいさは変わっていない」「毎日見られるのがうれしい」などのポジティブなものばかりで、これほど称賛一色なケースはなかなか見られません。

深津さんが連ドラにレギュラー出演するのは、2008年の「CHANGE」(フジテレビ系)以来、約13年ぶりで、連ドラ主演は2005年の「スローダンス」(フジテレビ系)以来、約16年ぶり。単発ドラマにもほとんど出ず、近年は映画にも出演していなかっただけに、「ひさびさに深津さんの姿を見た」という人が多かったようです。

視聴者は過去の輝きを知っているだけに、ひさびさの出演では「劣化」などと揶揄されやすく、しかも「実年齢より約30歳も若い女性を演じる」という難役でした。そんな難しい仕事であるにもかかわらず、なぜ深津さんは「やっぱりうまい」と言われているのでしょうか。

重苦しいムードを一変した18歳の演技

「深津絵里はやっぱりうまい」という声が上がっている理由として、まず挙げておきたいのは、「カムカムエヴリバディ」のストーリー。

「安子編」は中盤以降、戦況の悪化とともにシリアスな作風に一変しました。ヒロインの安子(上白石萌音)は、「母・小しず(西田尚美)と祖母・ひさ(鷲尾真知子)を空襲で失い、父・金太(甲本雅裕)も戦後すぐに命を落とし、夫・稔(松村北斗)の戦死が知らされ、帰還した兄・算太(濱田岳)にも裏切られ、最愛の娘・るいとも生き別れてしまう」という重苦しいムードが続いたまま、突然「安子編」は終了。

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