日本の醤油メーカーがインドに熱視線を注ぐ理由 規制緩和で「本醸造しょうゆ」が販売可能に

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今後の展開に向け、市場開拓のキーポイントは何か。

「ひとつはここ10年弱ぐらい前から広がりを見せているインド中華料理を接点にして、焼きそばとかチャーハンなどに利用してもらうことで認知度を上げていければと考えています。インド中華にしても外から入ってきたもので、そういう点ではしょうゆにも可能性があります。また、3世帯同居が多いインドの家庭料理はすごく手間がかかるので、お母さんたちに手軽においしいものを作れるレシピを提供することで、浸透を図っていきたいと考えています。

今はまだホテルやレストランなどを相手にしたビジネスですが、ゆくゆくはスーパーなど小売りを本格展開して、一般家庭で日常的にしょうゆを使ってもらうのがゴールなので、地道にブランド認知活動を続けていきます。最終的には10年、20年かかるでしょうね」(インド事業担当者)

業界2位・ヤマサは慎重姿勢

次に業界2位のヤマサ醤油の国際戦略をみてみよう。1992年にアメリカに現地法人を設立し、1994年にはオレゴン州に工場が完成し、現地生産に乗り出した。アジア進出は2008年。タイに合弁で現地法人を設立した。現在、輸出先は世界50カ国以上になる。現在インド向けには、若干の輸出を行っているという(輸出量は非公表)。

「現地輸入代理店を通じて、基本的には日本食レストラン、日系食品ストアに販売しています。タイ製のしょうゆに関しては、2019年より業務用20リットル、および小売り用1リットルの製品を輸出しています」(ヤマサ醤油国際部の担当者)

インド向け輸出にあたっては、タイのパートナー企業で日本のJAS規格(可溶性固形分が上級14%以上、特級16%以上)で製造したしょうゆを、インド政府が認知している外部分析機関による分析結果を出荷ごとに提出しているという。

インドでは先鞭を切っていたわけだが、今回の規格変更に伴ってのインド戦略の強化等は特段考えていないという。慎重にマーケットの動向を探ろうということだろうか。

「インドにおいて長らく調査とテストマーケティングを重ねてきましたが、人口に対して弊社の潜在ユーザーになりうる日本食レストラン数はほかのアジア諸国に比べて圧倒的に少なく、首都デリー周辺で20軒、全土でも200軒に満たず、いまだ発展途上のマーケットと考えています。食文化や所得の壁もあり厳しい市場ですが、ここ数年日系企業、外食チェーンの参入が続いているので、今後の成長市場と位置付け、徐々に拡売を図っています」(前出の担当者)

成長市場であることは認めながらも、本格展開には慎重な姿勢がうかがえる。

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