この10年で上場会社の67%が役員数を削減--ゼネコン、商社、自動車各社などで顕著

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この10年で上場会社の67%が役員数を削減--ゼネコン、商社、自動車各社などで顕著

東洋経済新報社が毎年7月、全上場企業を対象として行っている『役員四季報』調査によると、この10年間に67%の企業が役員数を削減していることがわかった。同調査は、2000年と10年の両時点でデータが比較可能な2760社について集計した(次ページ表では、削減数の多い106社を掲載)。

役員数を多くの企業が削減した大きな要因は、環境の変化だ。1999年から00年初めにかけてのITブームで景気が上向いたものの、バブルは崩壊。その後、輸出主導で回復を見せたが、08年のリーマンショックで景気は再び一気に冷え込んだ。こうした環境の変化の中、各企業は役員数の削減を図り、意思決定の迅速化を図るよう努めてきた。さらには、株主価値の増大を求める市場からの圧力や、余剰人員や不採算事業のリストラを進めてきたことで役員自体の責任の明確化を図ったこともあると思われる。

鹿島は10年間で40人削減

最も役員数を減らしたのはゼネコン大手の鹿島だ。00年に54人いた役員数をこの10年間で40人削減、14人にまで減らしている。2位もゼネコン大手の大林組で、51人の役員を34人削減し17人まで縮小。3位は鉄鋼最大手の新日本製鉄で48人を31人減の17人まで減らしている。4位もゼネコンの中堅の浅沼組で39人から12人、4位はトヨタ自動車で61人から34人にまで縮小している。

業種別に見ると、削減数上位11社のうち8社を建設業が占める。上位106社まで見ると35社、構成比は3割超と断トツの多さだ。00年以前から建設業の市場規模は下降をたどっていたが、01年から06年までの小泉改革による公共投資削減が追い打ちをかけた。01年、02年には中堅ゼネコンの倒産も相次ぎ、各社が生き残りを懸けて経営の見直しを進めていた。もともと建設業界は営業上の理由により、地域統括責任者を役員が務めるケースが多く、他社業種に比べ役員数が多い傾向があったことも影響していると思われる。

次に多いのが卸売業で、12位の丸紅と三井物産、22位の住友商事、48位の三菱商事など大手商社の名前が並んでいる。商社もゼネコンと同様、営業上の理由から世界各国の地域統括責任者や取扱商品部門の責任者を役員とするケースが多かったが、現在は少数の役員が複数の役職を兼務する傾向が強まっている。

3番目が輸送用機器、中でも組織上、細分化していた各セクションの役員の集約化を進めてきたのが自動車だ。4位のトヨタ自動車の場合、工場や営業部門など各セクションの役員を削減し、役員数は27人減少。28位にはマツダ、33位にいすゞ自動車・スズキ、48位に国内自動車部品トップのデンソーやダイハツ工業、76位にはホンダが登場している。

この10年は厳しい環境が続く中、各企業は生き残りのため試行錯誤を続けてきた。役員数の動きからも各社の経営戦略の変遷を垣間見ることができる。
(『役員四季報2011年版』編集部 山本亜由子 =東洋経済HRオンライン)

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