ヤジが響く甲子園球場は、とにかく楽しい 12球団のホームグラウンドへ行ってみた<12>
ピッチャー交代時にリリーフカーを使うのは、こことハマスタ、QVCマリンの3カ所だけ。スコアボードの表示コンテンツは至って平凡だが、内野の上部に取り付けられたリボン型のアストロビジョンはけっこうインパクトがある。
昨シーズンまでは、専属チアがいないのは広島と阪神の2球団だったが、今年は遂に阪神にも専属チア「Tigers Girls」が発足した。ゲーム開始20分前にパフォーマンスがあって、この日は日曜日恒例のスタメンキッズのエスコートもあった。楽天や中日がやっている、ゲーム開始直前に子供を守備位置に付かせ、選手にボールをもらうセレモニーである。
このほか4回表前、5回裏前、6回表前、ラッキーセブンで仕事をするので、標準より1回分業務量は多い。立ち位置は基本、1塁側、3塁側両方だ。
ビジター応援席の席数でわかる人気球団ランキング
この球場はタイガースにとってはほぼ完全ホーム、対戦相手にとっては完全アウェーで、レフトスタンドの一部、上段4ブロックと下段3ブロックをビジター応援席に指定、阪神のユニホームを着ることや、阪神の応援を禁止するエリアに指定している。
このビジター応援席の座席数は対戦相手によって変わる。座席図面からこのエリアの座席数を数えてみたところ、上下段3ブロックずつが巨人とロッテで2162席、上段4ブロックが広島とソフトバンクで1524席、上段3ブロックがオリックスで1091席、上段2ブロックが中日、DeNA、日ハムで668席。そして一番少ない上段1ブロックがヤクルト、西武、楽天で298席。一番多い巨人、ロッテの場合でも球場全体のキャパ比ではわずか4.5%でしかない。
この日筆者は持参したウル虎の夏ジャージを着た。ここでは阪神を応援したほうが断然楽しそうだからだ。とは言え、この日はヤクルト戦なのでかなり後ろめたい。マウンド上で力投を続ける小川泰弘とレフトスタンドのヤクルト応援団に、心の中でそっと手を合わせる。
広島同様、ここもヤジは多い。そしてそれが面白い。基本的にヤジは愛情の発露だから、もっぱら阪神の選手に向けられる。対戦相手へのヤジは死球やムリなホームスチールなど、味方選手のケガにつながる行為があったときだけ。要は対戦相手への関心が薄いのだろう。
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