告発スクープ!生コン「価格吊り上げ」疑惑

中部の高速道路に加え、リニアでも発覚した

東海北陸自動車道(写真)や第二東名高速道路の工事で、生コンの「価格吊り上げ」疑惑が浮上した。疑惑の先は、あのリニア新幹線にも向けられている(撮影:奴賀義治/アフロ)

2012年9月14日。とある建設会社の会議室の席上、東愛知(ひがしあいち)生コンクリート協同組合の登録販売店同士が語った、こんな会話が録音されていた。

「直接、登録販売店との取引を望んだけど、価格維持のため中部シー・アイ・アイから仕入れてくれとなった」「実際問題、ある程度“談合”みたいなものですよ」。

談合──。聞き捨てならない単語である。が、この話は、ここでとどまらない。岐阜県の飛騨、郡上にある、生コンクリート協同組合(以下、生コン組合)の1社独占販売の問題につながるからだ。

確かに、山間部の飛騨、郡上エリア(東海北陸自動車道)では、平地価格(東海環状自動車道の中濃エリアなど)に比較して「倍近い」という、異常な生コン価格高騰が起こっていた。

カルテル自体は適法だが

そもそも生コンとは、製造プラント(工場)から、ビルなどの工事現場へミキサー車で運ぶのだが、その時間は約1時間が限度。生コンが固まってしまうためだ。まさに“生き物”である。これを生きているうちに運ぶためには、時間内に工事現場まで運ぶことのできるエリア内の業者が、製造・供給を任される。

都市部など平地の場合、大手生コン会社や中小零細の集まった生コン組合、さらに工場とゼネコンを仲介する販売会社も多数あるので、競争原理が働く。中小零細生コン会社が集まる協同組合には、大手に対抗できるよう、独占禁止法(22条)でカルテル(適用除外)が認められている。

一方、山間部となると、生コンを時間内に運べるエリアが狭くなる。そこでは大きな工事がいつもあるわけではない。大手生コン会社は維持コストのかかる工場を持たず、地元の中小零細工場の集まった生コン組合が独占(カルテル価格を決定)し、生コンを供給するのが実態だ。地方の山間部では、通常、道路や橋の補修ぐらいの需要しかない。大きな公共事業や高速道路のプロジェクトは、地元生コン組合にとって、稼げる絶好の機会となる。

生コン組合のカルテルが認められるのは、地方の山間部でもつねに生コンを安定供給できるように、事業継続のための適正な利益を確保するという点で、必要なこと。しかし、この適法カルテルを利用した“不透明な取引”が、岐阜県山間部の飛騨、郡上の生コンで動き出した。

次ページ流通での談合は、黒でないが”グレー”
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