告発スクープ!生コン「価格吊り上げ」疑惑 中部の高速道路に加え、リニアでも発覚した

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9月29日からの臨時国会でも、「地方創生」や公共事業のあり方が問われる(撮影:梅谷秀司)

さらに問題は、安倍晋三政権の今後の行方にも、大きく絡む。

この組合カルテル価格に便乗した1社独占販売が”合法”だとしたら、この手法をまねする業者が出てくることは否定できない。全国的にこの手法が拡がって生コン価格の吊り上げが行われたら、高速道路に限らず、地方山間部を中心に執行される公共事業のコストにも、大きく影響することになる。

土木も建築も、最大の資材は生コンである。自民党は国土強靭化計画に続き、「地方創生」の名の下に、公共事業予算を拡大する方針だ。このような生コン価格吊り上げに対し、税金が無駄に使われることのないように、公共事業コストの積算にも厳しく監視をすべきであろう。

高速道路、リニア新幹線、そして公共事業。いずれも、回りまわって利用者負担や税金という形で、最後にカネを負担するのは国民であることを、忘れてはならない。

「週刊東洋経済」2014年10月4日号<9月29日発売>掲載の「核心リポート01」を加筆修正し転載)

木村 秀哉 東洋経済 記者

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きむら ひでや / Hideya Kimura

『週刊東洋経済』副編集長、『山一証券破綻臨時増刊号』編集長、『月刊金融ビジネス』編集長、『業界地図』編集長、『生保・損保特集号』編集長。『週刊東洋経済』編集委員などを経て、現在、企業情報部編集委員

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