告発スクープ!生コン「価格吊り上げ」疑惑 中部の高速道路に加え、リニアでも発覚した
が、中部シー・アイ・アイの1社独占となってからは、半ば強引に価格の引き上げが行われる。2013年7月にはゼネコンの購入価格が1万6300円に、10月には1万7000円まで引き上げられた。
ちなみに隣エリアの岐阜中央生コン組合は9000円前後である。山間部は平地の倍近いのだ。
飛騨生コン組合ではこれまでの実績を踏まえて、数社の販売店(対象約10社)に販売を委託する方式が慣例となっていた。ただ郡上生コン組合の件があったので、岐阜生コン卸商協同組合が「卸組合に任せてもらえないか」と要請したところ、すでに中部シー・アイ・アイの1社独占販売が決まっていた。岐阜生コン卸商協同組合理事長の森前登・武藤嘉商事社長は「要請してもすでに1社で決まっていた。契約内容の開示を求めたが、いっさい回答はなかった」と振り返る。
その後の生コン価格高騰は郡上のケースとほぼ同じ。「少なくとも2000~3000円の口銭を、中部シー・アイ・アイが受け取っていると思われる」(関係者)。もっとも、生コン組合からの出荷価格や口銭は、公開されていない。排除された販売店は納得がいかず、怒っているのが現状だ。ただ一部の販売店は、生コン工場に生コンの材料である骨材などを納入している関係があり、強く言えない事情もある。
なぜ1社独占なのか?
いったいなぜ、1社独占に決まったのか。中部シー・アイ・アイはこの点について、「生コン組合が求めていた条件をクリアし、当社を評価していただいた結果だ」(酒井秋浩専務)と強調する。
その条件はいくつかあるが、まず一つは「100%現金払い」である。過去、手形不渡りで痛手を被った経験を持つ組合側は、信用の低い会社と取引したがらず、手形でなく現金払いを要求する。そこで現金払いを確約した中部シー・アイ・アイに傾いた。また、NEXCO中日本など「高速道路での生コン販売実績」も、その一つだろう。3名の一級土木施工管理技士、4名のコンクリート技師を抱える技術力。生コンを運ぶミキサー車について5台は運転手付き、10台はリースで調達するという応援態勢も評価された、と中部シー・アイ・アイ側は説明する。
それでも口銭については、かたくなに「開示できない」と拒む。生コン組合と機密契約を結んでいると思われ、価格の情報開示はできないことになっているようだ。
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