SKE48とココイチが狙う「華麗な販促」の勝算 販促効果は、通常の広告のなんと12倍!
ちなみに次に応募件数が多かったキャンペーンは2014年初に2カ月半実施した「ココイチ イヤースプーン プロジェクト 2014」の景品応募に集まった約5万5000通。SKEキャンペーンの突出ぶりが浮き彫りになる数字だ。当然のことながら、「去年の目に見えた効果が、再度のコラボにつながった」(同)。
もちろん、キャンペーンの成功は、「SKEファン」の強い思いと行動力に支えられていたことは間違いない。岐阜市在住のある男性ファン(30代)は「このキャンペーンが盛り上がらないと『SKEは終わる』と思い、ココイチに通って8000円くらい使って何通か応募した」と熱く語る。
SKEも「ココイチ愛」、SNSでの拡散効果も
実は、このキャンペーンに先行するかたちで、九州地区、関西地区エリア限定でそれぞれSKEよりも後発の姉妹グループ、HKT48(福岡・博多)、NMB48(大阪・難波)がココイチのキャンペーンに起用されていた。
名古屋・栄を本拠とするSKE48の場合、昨年4月には人気メンバーが大挙して卒業。他のAKB48グループに比べると、CM契約も伸び悩み傾向で、相対的な人気の低下を危惧するファンの声も多かったという。上記のファンなどは、「NMBのファンにネットで馬鹿にされたりして、悔しい思いをしていた。ココイチの全国キャンペーンで起用されてネットなどではファンは沸いたが、同時に僕たちもたくさん食べてしっかり応援しないといけないと思った。実はカレーは苦手だが、悲壮な覚悟で臨んだ(笑)」という。
「松井玲奈が『推しメン』(好きなメンバー)」という別の男性は、彼女がSNSやメールなどで「みんな、お昼は… CoCo壱番屋だよね? 私もココイチ食べる!」など積極的に呼びかけたことにも反応。彼女が推奨した「ツナチーズ」を毎回トッピング注文したという。実際、メンバーの呼びかけは抜群だった。「数字は(メンバーによって差があり)申し上げられないが、松井玲奈さんは群を抜いていた」(浅井経営企画室長)。シーフードチームの優勝(9万3753票獲得。ちなみに2位ベジタブル9万1488票、3位ミート8万6559票、応募は一部重複)にも貢献大だったと見る。
もっとも、SKEキャンペーンの場合、他のAKB48グループのファンと比べて、「箱推し」(特定のメンバーよりもSKEというグループ全体が好きだという意味)ファンの多いことで知られるSKEファンをうまく巻き込んだことも強力に作用したかもしれない。実際、特定の個人メンバーにとらわれず、多種多量に注文したファンは多かったようで、全対象メニューを注文した「全部盛り」と称して注文する猛者も現れ、ネット上に写真掲載、ファンの間では大きな話題になった。
一方、SKEのココイチ愛も「ハンパなかった」ようだ。「SKEは愛知や周辺県出身のメンバーが多い。そのため小さい頃からココイチに親しんでいて、商品に関する知識もわれわれが驚くほど豊富」(前出の徳永課長)で効果的なPRになったという。
しかも、「ファンの皆さんのクリエイティビティにも驚愕した(同)。「ネットに『PPC』とたくさん書かれているので、何かと思ったら、北川綾巴さんが推した『パリパリチキン』のことでした」。キャッチーな略称の考案、ツイッターなどSNSでの情報拡散に「本来はわれわれ販促担当の仕事なのに、ファンの方のアイデアがすばらしくて、たいへん勉強になった」と徳永課長は感嘆する。
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