「態度が悪い部下」に困る人に教えたい究極の技 日本人が知らない「モチベーションアップ」法

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やる気がなく態度が悪い部下に、仕事へのモチベーションを高めてもらうには?(写真:teresa/PIXTA)
能力はあるはずなのに、いつも手を抜こうとしたり、不満を言う部下はいないだろうか。「米海軍特殊部隊(ネイビーシールズ)伝説の指揮官」と言われるジョッコ・ウィリンク氏によると、問題ある人物に「あることを任せる」ことで、解決できるという。米海軍特殊部隊のメソッドをビジネスの現場で応用するべく執筆された『ネイビーシールズ(米海軍特殊部隊)・リーダーズ・マニュアル』から一部抜粋・編集のうえ、お届けする。

ネガティブな態度を矯正する

私が若き士官としてシール小隊の副指揮官をつとめていたころ、別の小隊でやはり同じ役をつとめるある人物と知り合った。ある日、仕事が終わった後、彼は自分の小隊に属するある隊員について愚痴を言い始めた。正確には愚痴というよりも、どうしたらいいか解決策を求めていた。

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件の隊員は、無限のポテンシャルを秘めている人物のようだった。頭脳明晰で、カリスマ性もあり、運動能力も抜群だ。まさに逸材といってよかった。派遣の経験も一度あり、もはや新米ではなく、小隊全体に対してポジティブな影響力やインパクトを与えられるような立場にいた。

あいにく彼が隊に及ぼしていた影響力は、ネガティブなものだった。始終手抜きをしようとし、隊が行っている訓練について不満を述べ、万事に対してつねに否定的な態度をとった。頭脳明晰で運動能力も高く、カリスマ性もある人物なだけに、そのネガティブな態度はじきに何人かのメンバーに伝播し、彼らの態度はわずかにネガティブになり始めていた。良くない状況だった。

私はその態度の悪い若い隊員を、一応知ってはいた。シールチームの集まりのときに何度か見かけたことがあった。彼の態度は─―自分はだれよりも優れているという心持ちは─―そのまま顔にあらわれていた。すべては自分の下にあるかのような超然とした顔つきだった。たしかにやすやすと率いることは難しい、ひとくせある人物だった。

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