これから投資を始めようとする人たちに話を聞いてみると、まずは50万円ぐらいを投資に充ててみたいという人が多かった。
それであれば、前述の3つの基本を忠実に守る意味でも、「つみたてNISA」を活用するといいだろう。年間40万円までは投資で得た利益が非課税となる。
つみたてNISAは金融庁が長期投資に適していると判断した金融商品からしか投資対象を選べない。それをデメリットと指摘する人もいるが、筆者はむしろメリットだと考えている。3700以上の個別銘柄や、2000本以上の投資信託から未経験者が投資先を選ぶのはあまりにも難易度が高いからだ。
暴落や下落相場を知らない人たち
いざ投資を始めるにしても、何も知らないまま始めるのは怖いので、最低限の知識を身につけたいという人も多い。本屋に行けば投資関連の書籍は大量にあるし、ネット上にも金融機関や関係省庁が公開している情報もある。投資に関しては情報が手に入らないということはまずないだろう。
また、ここ数年で投資を始めた人も多く、個人投資家がSNSで情報発信をしているので、それらの情報を参考にするのもいいだろう。しかし、注意しなければならないのは、この5年ぐらいで投資を始めた人たちは暴落や下落相場を知らないということだ。その結果、投資の考え方にポジティブなバイアスがかかっている可能性が高い。
何も(大きなイベントが)なければという無意味な仮定を置けば、2022年も2021年と同じような相場展開を予想しているが、暴落や下落相場をもたらしかねない材料はいくつも存在している。
世界的なインフレ懸念に対応するために、先進各国の中央銀行は金融政策の方向性を引き締め気味にするだろうが、これが1つのトリガーにもなりうるし、中国・台湾、ロシア・ウクライナなどの地政学リスクもある。
新型コロナウイルスが強毒化する変異を遂げるかもしれないし、はたまた新たなウイルスによる危機が起きるかもしれない。日本だけに限ってみれば、首都直下型地震も起こりうるわけだ。このように暴落や下落相場入りする可能性もあるわけで、そうなったとしても基本を守れるかどうかがポイントになるのだ。
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