サラタメ「大企業より週3勤&副業」選ぶ本当の訳 鳥の目で人生を俯瞰する最強ライフシフト戦略

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人生100年時代において、いちばん生々しい恐怖は、やはり「お金」ではないかと思いますし、その解決のために副業をやるのならば、「稼げる仕事」にこだわったほうがいいと、私は思いますね。

急激な変化より「なめらかな移行」

『ライフシフト2』の第4章「探索」のところに、移行の難しさが書かれています。ここは、自分がふわっと思っていたことが言語化されていました。

副業をはじめることも移行ですが、できるだけ、その変化をなめらかにしなければならないと思っていたのです。

「YouTubeを始めてみたら調子がいいから、サラリーマンなんか辞めて、これ1本でやっていくぜ」というのは、あまりに劇的すぎて、怖いと感じます。

『ライフ・シフト』では、変化を支える資産のことを「変身資産」と表現しています。これは面白いですね。今の話をお金の運用にたとえるなら、あるとき急に、「今仮想通貨がきてるから、これ1本に全資産を注ぎ込むぜ」というようなものであり、危険だなと想像できます。

勝ち筋は、やはり積立投資です。コツコツと複利で増やしていって、「忘れていたけど、いつの間にか、こんなに資産が増えていたんだね」となるのがいちばん理想的でしょう。『ライフ・シフト2』では、複利の大事さも強調されていましたよね。

そのなめらかさを、移行で実現したいと思い、まず、正社員という軸足を持ちながら、副業をしていきたいと考えて、「週3日稼働、在宅勤務」という条件で、正社員として働かせてくれる会社に所属しようと思いました。

8社ほどやりとりしたのですが、各社とも、正社員には「週5日〇時間労働」をしているといった定義があり、希望の条件で雇ってもらうことは難しいということがわかりました。そこで、業務委託という形で現在の会社に所属させていただき、『新R25』でYouTubeの運営を担当しています。

『新R25』の現場はとても面白いです。責任者は社会人2年目でまだ若く、私は年上ですが、部下という立ち位置で意見を言わせてもらっています。教えてあげられることもあれば、私自身が勉強になることもあり、年齢のバイアスがありません。

完全自由というわけにはいきませんが、所属している枠組みの中で、何ができるのかを考える訓練にもなっています。コミュニティーに属することで得られる学びは、大きいですね。

会社って、いろんな年齢の幅のいろんな人がいて、個人で仕事しているだけでは得られない機会がある。自分の力では、どうにもコントロールしきれない社内事情や歪なルールがあり、不合理だと感じる場面も多々ありますが、それが一種の鍛錬になるとも思っています。その不合理を乗り越える経験が、不思議と副業にも生かされるものです。

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