「ふるさと納税で保護猫を救う」斬新なカラクリ 猫の殺処分ゼロを目指す「ネコリパ」の取り組み

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自走型保護猫カフェ、ネコリパブリックは2022年2月22日までに日本の猫殺処分ゼロを達成すべく、活動を続けてきた。写真のお茶の水店のほか直営店を大阪、岐阜で運営。さらにフレンドリーシップ店3店舗、共同運営店1店舗で、約1200匹の猫を保護している(撮影:今井康一)
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2022年は「猫イヤー」だそうだ。

「自走型保護猫カフェ」を運営するネコリパブリックにとっても、2022年は特別な年である。2014年に設立、2022年2月22日までに日本の猫の殺処分ゼロを目指し、保護猫カフェ、イベント開催、ブランド設立や猫関連商品の物販など、多方面に活動してきた。これまでに譲渡した実績は店舗を通じて1300匹以上、コラボ譲渡会も含めると2000匹以上だ。

ネコリパほかあまたの保護猫活動団体の活動もあって、今はTNR(野良猫を捕獲、避妊去勢手術を施して解放する)などの活動や、「保護猫を家族に迎えよう」という選択肢についても広く知られるようになっている。地域猫活動を支援する自治体も増えてきた。

殺処分数も減少し続けており、現在のところ2万7000匹あまり(対象期間2019年4月1日〜2020年3月31日/環境省データより)。

緊急事態宣言で大きな打撃を受けた

しかしコロナで譲渡会などのイベントが開催されにくくなり、保護猫活動にも影響が出てきている。活動団体で抱えている保護猫にかかるコストがかさみ、クラウドファンディング等で支援金を募るところも増えているようだ。

ネコリパでも1回目の緊急事態宣言期間には大きな打撃を受けたようだ。代表取締役の河瀨麻花氏によると、まず同社が運営する保護猫カフェ(東京、大阪、岐阜の直営店3店舗)について休業を余儀なくされた。店の売り上げは入ってこないが、猫の世話をするスタッフの人件費、光熱費などランニングコストは変わらずかかるため、「あと何カ月もつか」というところまで追い込まれたそうだ。

ネコリパブリック代表取締役の河瀨麻花氏。「保護猫活動はボランティアだけでは限界がある」と、猫課題をビジネスで解決するため2014年に起業。保護猫の存在を広め、ブランド化するという当初の目的はほぼ達成されてきており、現在はさらに次の課題に意欲的に取り組んでいる(撮影:今井康一)

もちろん、物販と並んで同社の大きな収益源であるイベントにも影響があった。2020年2月には「ネコ市ネコ座in神戸」を開催予定だったが、無期延期になってしまったそうだ。

「これはまずいと、突破口を探してできることは何でもやりました。まず行ったのが、ホームページで月々900円からのサポーターを募ること。お礼としてYouTubeで猫の様子の動画を見ていただけるサービスも始めました。その次に、オンラインの物販に力を入れました。とくにマスクが不足していたので、猫型のマスクを作って販売したところ、大ヒット。同じく大ヒットしたマスクケースも合わせて、何カ月かやっていける売り上げを得ることができました」(河瀨氏)

同社のオリジナル商品は普段使いしやすいスタイリッシュなタイプで人気が高い。マスクは20種類ほどをデザインした。とくに拠点を置いている岐阜には縫製工場が多く、マスクを生産するうえで有利だった。

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