ジープ「グランドチェロキ―L」ベール脱いだ全貌 10年ぶり刷新で内外装や走り、機能はどう進化?

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一部モデルの頭上にはグラスルーフを採用し開放感を高めた(写真:FCAジャパン)

初の3列シート構成については、「3列目のシートは見た目の上質さだけでなく、座り心地も確保した。さらに2列目からの乗降性も高めている。2列目シートそのものも改良し、足元スペースも拡大させた」と説明する。

グランドチェロキーLのチーフエンジニアであるフィル・グレイド氏は、「新設計のモノコックボディに加えて、従来型グランドチェロキーの悪路における走破性能を1から見直してグランドチェロキーLの設計を進めた」と改めて開発のスタートラインを紹介した。

続けて、「そのため、まずサスペンション(前後マルチリンク形式)自体が持つセッティングの柔軟性を活かしつつ、構成部品であるブッシュ(柔軟性のあるゴム素材で各部をつなぐパーツ)を配置場所ごとに、走行性能を高める特性、快適性能を高める特性と、明確な役割分担を持たせ、相反する課題を克服。次にフロントアクスル(前輪に駆動力を伝える車軸)をエンジンに直付けすることでノイズ、振動、ハーシュネスなどボディを通じて伝わるネガティブな外乱を大きく抑えた。また、軽量化のためボディにはアルミを多用しつつ、第3世代の超高張力鋼板など高強度スチールも随所に採用した」と開発プロセス全般を解説した。

重心位置を下げ運動性能を向上

得られた性能については、「この直付けによってエンジン搭載位置を下げる(=重心位置を下げる)効果が生まれ、オンロード/オフロードを問わず運動性能の向上に貢献した。低重心化はロールオーバー(横転)への対応能力も高まる」と具体例を挙げて示した。

「オーバーランド(本国でのグレード名)には、悪路走破性能を高めたトレイルレーテッドを設定した」とアメリカ本国でのラインナップにも触れながら、「従来モデルにも採用していた前後エアサスペンション機構だが、グランドチェロキーLでは新開発して制御内容も見直した。これによりボディ形状との相乗効果によって優れたアプローチアングル、ディパーチャーアングルを確保した。加えて、ランプブレークオーバーアングル(おおまかに前輪と後輪の間における各クリアランス角度でこの数値が大きければ悪路での走破性能が高い)も拡大した」と悪路で向上させた走破性能のポイントを解説。

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