カローラクロスが安いのに驚くほど出来が良い訳

ライバルのSUVが太刀打ちしがたい仕上がりだ

カローラ初のSUV「カローラクロス」。発売後、さっそくカローラシリーズの販売台数を押し上げている(写真:トヨタグローバルニュースルーム)
トヨタ自動車は今年9月、新型クロスオーバーSUV「カローラクロス」の日本仕様を発表し、販売を開始した。
カローラクロスは、2020年7月にタイで世界初公開。タイや台湾ではすでに販売されており、人気を博しているモデルである。また、2021年7月には北米仕様が公開されており、「ヤリス クロス以上ハリアー未満」というちょうどいいサイズ感から、日本への導入に大きな期待が寄せられていた。
『間違いだらけのクルマ選び』は、この新型車をどう見るか。著者・島下泰久氏が最新版『2022年版 間違いだらけのクルマ選び』につづったカローラクロス評をお読みいただきたい。

クロスオーバーというより直球のSUV

カローラの歴史上、初のSUVが誕生した。その名もカローラクロスである。もちろん、弟分としてヤリスクロスが居ることを考えれば、この名前になるのも納得はできるのだが、実際に眺めてみるとこのクルマ、クロスオーバーというよりは直球のSUVとして仕立てられている。

外観は下手にクーペ風だったりせず、ロングルーフのスクエアなフォルムとされていて、いかにも居住性、積載性重視という印象を醸し出している。幅広いユーザー層から支持されるクルマであってこそカローラ。そんな哲学というか愚直なところが、ストレートにカタチになっているわけだ。

ちなみにフロントマスクは、先にデビューした東南アジア向けのモデルとは別デザインにされている。これは正解。断然、精悍だしカローラのファミリーっぽい雰囲気も増している。

ただし、グローバルモデルということもあり1825㎜に達しているワイドな全幅は、カローラらしからぬと言われるところかもしれない。しかし実際に走らせてみると、車庫や駐車場に入れる局面では大きさを意識させられることもなくはないが、普段の取り回しはそれほど気を使わないで済む。

効いているのは、まずアイポイントが高く、ウインドウ面積が大きいために全方位の視界が優れていること。特に、リアクウォーターウインドウが効いていて、斜め後方がよく見えるのが有り難い。更に、ステアリングがよく切れて、最小回転半径が5.2mに収まっているのも、取り回しをラクにしている。

次ページ室内空間は非常にゆったり、荷室も使いやすい
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