カローラクロスが安いのに驚くほど出来が良い訳 ライバルのSUVが太刀打ちしがたい仕上がりだ

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カローラクロスの室内空間(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

一方、そのサイズの余裕を活かして室内空間は、非常にゆったりとしている。特に後席は、肩周りも頭上も狭苦しさとは無縁。しかも背もたれにはリクライニング機構が付いていて、それほど角度がつくわけではないのだが、実際に座ってみるとリラックス感が高まって、とてもいい按配だったりする。なかなかよく考えられているのである。

荷室も広々だ(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

荷室もフロアが低く積み下ろしがしやすいし、容量487Lと大きく、ゴルフバッグ4セットを軽々飲み込んでくれる。標準では、後席背もたれを前に倒してもフルフラットにはならないので、それを欲する場合はオプションのラゲージアクティブボックスを装着することになる。これ、フルフラット化を実現するだけでなく、耐荷重130㎏という強固な設計になっているのがポイント。要するに、車中泊ニーズまで見ているわけだ。

パワートレインは1.8Lガソリンとハイブリッドの2タイプで、後者のみ電気式4WDのE-Fourも選択できる。他のカローラシリーズと同様にプラットフォームはTNGAのGA-Cを使うが、FF仕様のリアサスペンションは、ダブルウィッシュボーン式ではなく新開発のトーションビーム式になっている。4WDではダブルウィッシュボーン式が使われる。

乗り心地はしなやかで安心感は高い

ガソリン、ハイブリッド、4WDなどさまざまなモデルを試したが、すべてに共通して言えるのは乗り心地が非常にしなやかなことだ。カチッとしているが重々しさはないボディを土台に、本当に柔らかくストロークしてとても快適。しかも決してフワフワしているわけではなく、目線はフラットに保たれるから高速域でも安心感は高い。

それでいてフットワークだって犠牲になっていない。いや、それどころかコーナーの連続が楽しくなるほどの操縦性を実現しているのだから嬉しくなってしまう。転舵速度が速いとグラッと傾く感じもあるが、それは当然のこと。コーナーに合わせてていねいに切り込んで行けば、適度な、そして心地の良いロールを伴いながら、スーッと思い通りのラインで抜けていくことができる。実に気持ちの良いコーナリングを楽しめるのだ。

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